私とカメラについて(2024年6月)

以前に書いた文章から2年半以上経ち、状況が変化しているので、現状を文章にしておきます。

2021年10月の文章では、久しぶりにフィルムカメラを使って、モノクロ写真を撮り始めた頃のことを書いています。カメラとレンズのオーバーホールを始めた頃です。その後フィルムカメラを追加で手に入れたり、実家の防湿庫から引っ張り出してきたり、追加でレンズのオーバーホールをしてもらって、まずはNikon Fマウントが充実しました。カメラはNikomat FTNと追加で購入したNikon F、レンズは20mm F3.5、24mm F28、28mm F2.8、35mm F2、50mm F1.4、50mm F2、マイクロ55mm F3.5、105mm F2.5という盤石の体制。

フィルムカメラへの興味が募り、そういえばEOSが実家にあったな、と持ち帰ってきたのが、EOS 650です。EOS 5D MarkIIで充実させたEFレンズが大活躍。オートフォーカスのフィルムカメラもいいな、と味を占めました。すでにレンズがあるなら、ボディを買うだけでよい。しかも安い。

モノクロ写真が性に合っていたのか、フィルムカメラのテンポが好みなのか判りませんが、デジタルがメインでたまにはフィルムでも、というスタイルだったのが、次第にフィルムで撮る方が楽しくなっていきました。

性懲りも無く、PENTAX KMKマウントの新しいレンズOLYMPUS TRIP 35も追加で手に入れて、デジタルメインのときはフィルムのコンパクトカメラを、フィルムメインで撮るときはコンパクトデジカメ(RX100)を、とデジタルとフィルムを併用できる環境が整いました。

そして2023年2月、ついにNikon Dfを手に入れました。「ついに」というのは2018年に入手したニッコール・オート時代の非AIレンズを使う上で、Nikon Dfは避けられないカメラだと思っていたからです。マウントアダプタがあれば、ソニーでもキヤノンでもパナソニックでも使えますが、それでは味気ない。中古で購入したとき、ショット数が448という少なさで、さらに最近、ニコンのサービスセンターでメンテナンスしてもらったので、安心です。

2023年の夏に、いつもフィルム現像とデジタル化をお願いしているお店のスキャナーが故障し、修理できなくなってしまいました。そのお店は、現像は外注で、スキャンのみお店で行っており、トリミングやゴミの除去も丁寧で信頼していたので、とても残念です。外注先でのスキャナもできるらしいのですが、割高なので、一念発起して、自分でデジタル化してみることにしました。フィルムのデジタル化は今まで何度か試していますが、結局は「できないことはない」という程度で、きちっとしたフローは確立できていませんでした。そこでニコンのフィルムデジタイズアダプターES-2を入手し、試行錯誤の結果、30分程度で36EXフィルム一本をデジタル化できるようになっています。画質的にも不満はありません。

フィルムで撮るようになると気になるのが中判カメラです。そこでまた実家の防湿庫からFUJIのGA645iを持ち出し、モノクロフィルムを通してみました。ファインダーはいささか曇っていますが、まあ順光や日陰なら不満はないし、何より軽快に撮影できます。画質もいい。

2024年に入り、モノクロフィルムをプリントするワークショップに参加しました。モノクロプリントのトーンについて教えてもらったおかげで、Lightroomで現像する際の指針ができました。今までは「こうしたい」という目標がなく、明るかったり暗かったり、コントラストが高かったり低かったり、というバラ付きがありましたが、写真の中のハイライトからシャドウまでを綺麗に出すことを考え、その中で私が再現したいトーンに近付けていくようにしています。あまり高コントラストの写真は好きではないので、優しいトーンにすることが多いですね。

カメラ的にはEOS-1 HSNikon F60Dというオートフォーカス一眼レフを入手しました。どちらも旅先のカメラ屋で見つけました。EOS-1 HSは広島、Nikon F60Dは東京で。わざわざ探して買うほどじゃないけれど、程度のいい個体に巡り会えたら買いたいカメラに、ちょうど出会った感じです。

手持ちのレンズが使えてちょっと面白そうだな、と思ってNEX-6を手に入れてから6年半、随分と遠くに来たようでいて、2001年に父のPENATX MXを使うようになった頃に戻ったような、不思議な感覚です。写真を撮りたい気持ち、写真を撮りたくなるようなところに行きたい気持ちが日増しに強くなっている気がします。