EOS 650は、1987年3月に発売されたEOSの第一号機です。私が手に入れたのは2003年の8月。そのときに書いた文章がこちらです。自分で書いた文章なのに、ほとんど覚えていません。なるほど、そういう経緯で買ったのか、と。
そんなEOS 650ですが、記録によると8回使っています。私としてはわりと多い方です。気に入っていたという記憶のあるEOS 50Eでも5回ですから。
実家の防湿庫にEOS 650とEOS 50Eがあるのは、さすがの私でも覚えていました。ただ、以前に確認した際に発覚したのですが、EOS 650はラッチが折れて裏蓋が閉じなくなっていました。
最近、フィルムで写真を撮るようになり、EOS 5D MarkIIを入手してから揃えたEFレンズを活用できたら面白いかもな、と思っていました。そんなわけで2021年11月21日、実家に行くついでに50Eを持って帰ってこようと思っていたのです。
当日、実際に確認すると裏蓋が閉じないのはEOS 50Eの方でした。勘違いしていたようです。壊れていないEOS 650ではありますが、電池がない。2CR5。近所の電器屋に行ったら1,180円。EOS 650なんて、今となっては中古で1,000円台で買えるのに、電池が1,180円。電池を入れて動作チェックして、結局壊れていて動きませんでした、となったら目も当てられないな、と思いながら買いました。致し方ない。
電池を入れてみると、シャッターはひと通り動作はしているようです。ダイヤルの動作が若干あやしくて、たまに空回りすることもありますが、致命的なレベルではありません。最悪、Pモードにすればいい。
自分で買って、文章にも書いたEOS 650ですが、購入から18年経って触ってみると、とても新鮮です。程よいサイズ、程よい重さ、高級感はないけれど、チープでもない質感。ファインダーはペンタプリズム使用で、倍率0.8倍、視野率94%というスペック(ちなみにEOS 5D MarkIIは0.71倍、98%)。視野率はともかくとして、倍率が高めなのがいいです。見やすい。
カメラの左肩には、撮影モード選択ボタン(MODE)と露出補正ボタン(EXP.COMP)があり、一番手前側にあるのがメインスイッチです。初見では判らないんじゃなかな。
詳しい使い方は説明書を見ていただくとして、LはOFFで、それ以外はON。Aはフルオートのことかと思いきや、そうでもない。撮影モード設定でM(マニュアル露出)にもできます。他には電子音ON位置と、Lを挟んだ反対側に全自動位置があります。
今から考えると、変わった操作性です。AEかつAFのカメラが登場して間もない頃ですから、試行錯誤があったのだと思います。とはいえ、使いにくいというのでもありません。
操作パネルはこんな感じです。電子ダイヤルはシャッター後ろにひとつだけ。露出補正は、左肩にある露出補正ボタンを押しながら、電子ダイヤルを操作するパターン。
EOS 650は深度優先AEというのがあって、被写界深度に入れたい2点にAFフレームを当ててシャッター半押しすると、その2点が深度に入る絞り値と、それに対応するシャッター速度が設定されます。便利のような、そうでもないような。私は一度か二度使ったことがあるような気はしますが、結果については記憶にありません。被写界深度確認ボタンを押して、目視で確認した方が早いんじゃないな。
EOS 650を買った後に入手した50mm F1.8 IIはすでに手放しているので、50mm F1.4 USMを装着。EFマウントは最新レンズでも使えるみたいです。16-35mm F4 L IS USMも使えるようでした。カメラは古いですが、USMだからかAFは速いです。
測距点は1点のみ。聞くところによると、縦線のみ検出。まあ、1987年発売、34年も前ですから、そんなもんでしょう。2年後に発売されるEOS-1でも1点ですからね。ただし、クロスセンサーで縦横線対応のようです。
通電してシャッターが動いているとはいえ、フィルムカメラなので、フィルム給送まわりが壊れていては撮影できません。また、EOS 650など初期のEOSにはシャッターに持病があります。一応、購入時に対策済みと確認していますが、18年も前のことなので、ちゃんと動いているかは不明です。
何にせよ、フィルムを通して撮ってみるしかありません。11月23日、家族ででかける予定があったので、子どもの写真を撮ろうとKodak GOLD 200(カラーネガ)にしました。
まだ36コマ撮りきっていないので、ちゃんと撮れているかは分かりません。全コマプリントしようと思っているので、おざなりな試し撮りはせず、また次の週末に撮り切りたいと思います。あと4コマ。