EOS-1 HSとの出会いについて

Photo & Culture Tokyoの記事をよく読んでいます。その中で「エアポケットの時代 ─80〜00年代の日本製カメラたち─」は新たな発見があるので、楽しみにしています。

私が使っているフィルム一眼レフの多くは1960~70年代のものです。Nikon Fはちょっと古くて1959年発売ですが、Nikomat FTNは1967年、Canon FTb-Nが1973年、PENTAX KMが1975年といったように。1980~2000年代となると、ほとんど知らないカメラばかりなので、とても興味深いです。

そんな中で気になっているのが、1980年代のフィルム一眼レフです。

1980年代といえば、ミノルタのα-7000から始まるオートフォーカス化の波が有名です。その発売が1985年。私が使っているEOS 650はEOSの初号機で1987年発売。EOS 650のオートフォーカスは今でも実用に足ります。

1960年代の手動巻き上げ、マニュアル露出、マニュアルフォーカスという全手動式から、ワインダー内蔵、マルチモード自動露出、オートフォーカスと、すべてが自動化されるに至ります。ただ、自動化が進んだ一眼レフはそんなに人気がないからか、とても手頃な価格で手に入ります。

ニコン最初の本格的なAF一眼レフであるF-501や、MFですがF-301、キヤノンではEOS-1Nなどについて、面白そうだな、と調べていました。

この時代のニコンのカメラって、安いし面白そうかな、と感じたのが最初のきっかけです。ちょうどニコンのAFレンズを2本(50mm F1.4マイクロ60mm)手に入れましたし、Ai方式のレンズも2本(28mm F2.8マイクロ55mm F3.5)ありますから、ちゃんと使える。あと、デザインがいい。直線的なデザインに、グリップなどの新しい要素が加わって、過渡的な感じが好みです。

EOS-1 HS

そんなことを考えていた折、旅行先で通りがかったカメラのキタムラに入りました。中古カメラや中古レンズとの出会いを求めて、カメラのキタムラがあるとだいたい入ります。大抵は何も買いません。

今回のお店は中古が充実していました。活気ある感じで店員さんも多い印象です。

ショーケースを一通り見て、EOS-1 HSに釘付けになりました。15,800円。現状渡し。とても綺麗。ネーム入り。ほとんど悩むことなく、駐車場に停めた車からレンズを持ち出し、店員さんに声をかけて出してもらいます。グリップは少しベタつきがありますが、樹脂部分は本当に綺麗で、傷ひとつありません。使い込まれたEOS-1やEOS-1Nはたいていテカリが出ているものですが、それがなく全体的につや消し。もともとはこういう質感だったのか、と思いました。持ってきたレンズ(EF 50mm F1.4 USM)を取り付けて試してみます。電源は単3乾電池8本。リチウム電池より安いのはメリットだけど、重い。使ってみるとまず感じたのがシャッターの感覚のよさ。バシッ。オートフォーカスは1点のみですが速い。シャッターボタンを半押しした途端に合焦している。

うん、買います。このカメラが15,800円は安い。

ビックカメラで乾電池とフィルム(ILFORD XP2 SUPER 400)を購入し、翌日から実際に使ってみました。詳細は別記事で。