私とカメラについて(2021年10月)

昨年の7月に書いた文章から一年以上が経ち、カメラにまつわる状況に変化があったので、文章にしておこうと思います。

EOS 5D MarkIIを購入に至る理由は、もともと「古いニッコールを使うためのフルサイズ機探し」でした。

NEX-6を買った後、AF精度に疑問があったことが発端でニッコール・オート世代のレンズを何本か購入しました。それがマイクロフォーサーズをメインにするようになって、AF精度に問題がないのと、画角が狭くなることもあって、ニッコールレンズの使用頻度が著しく低下しました。「せっかく買ったお気に入りのレンズなのにもったいないな」という気持ちがずっとあって、それがフルサイズへの興味に繋がったわけです。

EOS 5D MarkIIを買ったとき、一緒にEOS-Nikon Fのマウントアダプタも購入しました。しかし実際のところ、古いニッコールを使ったのは、リバーサルフィルムのデジタル化のためにマイクロニッコールを使ったときくらいです。フランジバック的には問題なくても、ミラーまたはミラーボックスに干渉するレンズが多いのと、ファインダーでピントを合わせるのが難しいのとで、実使用にたえるものではなかった、というのが実際のところです。

まあ、おとなしくニコンDfかα-7IIでも買っておけばよかったようなものですが、ちょっと高いので。

EOS 5D MarkIIを手に入れてからはフルサイズの高画質(階調の豊かさとノイズの少なさ)に魅力を感じ、その性能をいかんなく発揮するためにEFレンズをいろいろと手に入れました。

その性能には驚かされました。新しいレンズって、こんなにすごいのか、と。EOS 5D MarkIIは2000万画素クラスなので、もっと高画素になると、もっとすごいのかもしれませんが、反面ブレやピントのズレがとても目立つと思います。EOS 5D MarkIIでも最初はブレとピントに悩まされましたから。マイクロフォーサーズの手ブレ補正がすごいのと、被写界深度はやっぱり深いのだと思います。でもまあ、そのあたりは慣れですね。最初は戸惑ったとしても、そのカメラに合わせた撮り方は使っていくうちに身につくものです。

EFレンズについて一段落したところ、やっぱり気になるのは古いニッコールレンズのことです。なんとか有効に活用できないものか、と。

そういえば、Nikomat FTNが実家に置いてあったなと思い出しまして、お盆に帰省した折に触ってみると、悪くない。がっしりとしていて、シャッターも快調に作動します。ただ、モルトプレーンが劣化しているのと、購入してから一度もメンテナンスしていないので、キィートスに送って点検・整備をしてもらいました。その後、モノクロフィルムで写真を撮るようになりました

Nikomat FTN + NIKKOR-H Auto 50mm F2

ILFORD XP2 super 400というネガカラーと同じプロセスで現像できるモノクロフィルムを使っています。

何がどう面白いか、というのは説明が難しいところですが、モノクロ写真って面白いな、と思っています。

カメラを持って街を歩き、モノクロ的にいいんじゃないか、という光景を探して、カシャンとシャッターを切る。フィルムを現像に出して、結果を見ると、よさそうに思ったけど駄目だったり、思い通りだったり、意外によかったりして、面白い。

モノクロといえば街、というイメージがありましたが、普通に子どもの写真を撮ってみたら、とか、紅葉ってどうなるのかな、とか、試してみるのも面白い。

フィルムの現像が面倒で、すぐにやめるかな、と思っていたのだけれど、そうでもなさそうなので、次の段階として、レンズのメンテナンスを依頼しました。ピカピカ。ピントリングのトルク感も気持ちいい。

古いニッコールのコンディションについては、手に入れたときから気にはなっていました。ニッコールの傾向として、ヘリコイドがスカスカになっている個体が多いのと、やはりレンズ内にゴミがあるものが多い。写りには大きく影響しないだろう、と考えて手に入れるわけですが、気にはなります。

分解清掃を依頼すれば、ヘリコイドグリスも塗り直してもらえますし、レンズのクリーニングもしてもらえることは知っていましたが、どこに依頼するべきなのか、コストはどの程度なのか、もよく分からないし、メンテナンスしなくても使えてはいるし、とウジウジ考えているだけでした。

それがNikomat FTNをメンテナンスに出す際に、レンズのメンテナンスについてもだいたいの価格を聞いていました。だいたい1万円くらいだったので、まあ手頃だろう、と。9本全部しても10万円くらいです。安くはないし、一回の出費だと痛いけれど、順番にお願いするのなら、出せない額ではない。結局、レンズはNikomat FTNとは違うところでメンテナンスしましたが、価格的にはだいたい同じくらいのようです。

3本オーバーホールしてもらって、試し撮りしたフィルムの現像を待っている段階なので、その後のことはまた別の話ですね。

E-M5 MarkII

あと、ふとしたきっかけでE-M5 MarkIIも入手しました。E-M10 MarkIIに感じていた、ちょっとした不満が解消されました。E-M10 MarkIIを買うときに、E-M5 MarkIIの中古も検討したはずですが、やっぱり気になって。

E-M1と性能的には重なる部分が多いのも事実ですが、グリップが浅くてコンパクトな方が便利なこともあります。それでいて、防滴・防塵なので、それに対応したレンズとの組み合わせでは安心です。

買ってから気づいたメリットとしては、LCDを内側にして閉じられるのがいい。LCDの保護になっていい感じです。EVFなのでポストビューは見られますし、いちいち確認しないで、どんどん撮るにはいい感じです。

意識してそうしたわけではないのだけれど、こうして文章にしてみると、「新しいものに手を出すより、気になることを解消して、より快適に撮れるように」という感じです。

マイクロフォーサーズ、フルサイズ、そしてフィルム(モノクロ)という、3つのフォーマットで写真を撮るようになったこの頃です。