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6.「フィルム・カメラが欲しい」という病気8.フィルム・カメラへの想い、断ち難し


前回、「カメラが欲しい」ということを書きました。カメラはカメラでも、オートフォーカスの楽チンなヤツではなくて、露出計は内蔵してるけど、フォーカスも、シャッタースピードも絞りも全て自分で設定できて、質感があって、道具として優れているカメラが欲しいのです。デジカメの対極を行こう、というわけですね。

いろいろと考えてみると、やはり中古というのは初心者としては怖いです。あまりに安いとどこかに問題がある確率が高いわけですし、高いからといって必ずしもクォリティが高いというわけでもないようです。なので、中古はやめて新品にしようかな、と思います。新品だからそういうことも少ないでしょうし、調子が悪くなってもメイカーが修理してくれます。価格はやはり高くなってしまいますが、安心感と引き換えなら止むを得ないように感じます。

そういう観点から見ると、新品でも私が求めているようなカメラはわりとあります。現行機種で気になるものは3台。全て私の要求を充分に満たし、かつモノとして魅力的です。以下でちょっと説明してみましょう。


まずLEICA M6。はいいカメラだという話ですが、高すぎます。一番安いモデルのボディだけで29万円します。その上にレンズが必要ですから、私の予算を遥かにオーヴァーしています。中古のM4なんかはすごく魅力的ですが、これも高いのです。

次にBESSA R。すごくリーズナブルなカメラです。本体が6万8000円で、レンズも3万円からと定価ベースで10万円以下です。実際には8万円以内で買えるでしょう。問題はカヴァーが樹脂製である、という点です。「安いしいいかな」と思うのですが、あまり嬉しくないですね。実用上問題はなさそうですが、気分的にひっかかるものがあります。

最後はNIKON NewFM2。完全機械式の一眼レフで、珍しい存在です。そのため写真学校の指定教材になることが多いようです。また金属ボディで信頼性が高そうですし、デザイン、機能の両面でのシンプルさは魅力です。それから私の持っているニコンFマウントのレンズ(Series Eの50mm F1.8)を使えるという点も魅力です。50mmのレンズを買わなくていいわけですから、レンズ1本分安いと考えることもできます。


もちろん、これ以外にもいろいろと対抗機種はあります。

例えばペンタックスLXはスリムで美しいボディや、密封構造など、マニュアル・フォーカスの一眼レフとしてはすごく魅力的なのですが、ボディだけで15万円と高価だし、マニュアル・フォーカスのレンズのラインナップが減ってきていて、20mmの次が50mmという、実用的ではないものになってしまっています。私は24か28mmが欲しいのですが、中古で探すしかないわけです。それは、あまりに厳しいものがあります。

CONTAX RXは少し大きいですが、カール・ツァイス・レンズが使えるという最大の魅力がありますし、デザインはCONTAXっぽい、ちょっと肉厚でゴロッとした感じのもので、嫌いではありません。しかし、これもボディだけで16万円と高価です。また、レンズのラインナップが少なく、高価なものしかない場合があって、予算的に厳しいだろうと思います。

ですから、今のところはNewFM2のチタン・ボディが最も魅力的です。チタンの落ち着いた色合いがいいですし、堅牢さが実用カメラっぽいですし。これに、Ai Nokkor 28mmF2.8Sをセットすると、スナップには持ってこいのカメラになると思います。欲しいなぁ。


2001年1月30日