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4.こんなデジカメが欲しい6.「フィルム・カメラが欲しい」という病気


気付かなかったのだが、古いデジカメの価格が下がっている。最新機種や人気機種は相変わらず高いが、私が2000年5月に7万4800円で買ったC-2020ZOOMは5万円台に突入したし、ニコンのCOOLPIXは5万円台前半だったりする。もうちょっと待てばよかったかな、と思わないこともない。


FinePix1700Z

そういう、自分が買ったヤツの値下がりは全く嬉しくないのだが、ちょっと気になっていたデジカメの価格が下がっているのにも気付いた。それがFinePix1700Z(以下1700Z)である。

デジカメを買う時から、1700Zの存在は知っていたのだが、1台目としては、画質の安定度とノイズのなさ、マニュアル操作の充実度から1700ZよりもC-2020ZOOMがいいと思い、それを買った。しかし、少し大きすぎた。画質、S/N、機能には全く不満のないC-2020ZOOMだが、ボディに厚みがあり、レンズが出っ張っているので、持ち運びにはバッグが必要になるし、気も使う。

もちろん、カメラ・バッグにマクロ用のレンズやフィルターなどをいろいろと入れて、気に入った場所を歩きつつ、ちょっと時間をかけて写真を撮るのも楽しいのだが、カメラ・バッグを持たずに手ぶらで気軽にスナップをしたい時だってある。そういう場合に「もうちょっと小さいカメラがあればなぁ」と思うようになったのである。初めてそう思ったのは2000年の7月くらいのことで、お金もあったので常時携帯できるお手軽スナップ用カメラを買う計画を立てた。ミノルタのDinage2300というカメラを買おうと思っていた。しかし結局、出物だったC-1400XL(C-2020ZOOMより大きい)を買うことになってしまった。いいカメラだったので、いい買い物だったとは思うが、案の定また「コンパクトなデジカメが欲しいなぁ」という気持ちが強くなってきた。


というわけで、1700Zである。軽くてスリムで、電源を切るとフラットになるボディ、それでいて3倍光学ズームレンズ付き。電源オフ時は金属製のカヴァーでレンズが保護されるから、あまり気を使わずに持ち歩ける。これがずっと5万円台半ばだったのだが、最近3万9800円に落ちたのである。これは安いと思う。金属ボディで質感もいいし、LCDも視認性の高い低温ポリシリコンである。ちょっとレンズが暗い(F3.2~5)ので、暗所には弱いが、日中戸外でのスナップを主とする私には関係のないことだ。

それから、1700Zがリチウムイオンバッテリだというところもいい。単三アルカリ乾電池が使えるから、バッテリが切れても(予備さえ持っていれば)怖くない、という理由でわざわざニッケル水素バッテリを使う機種を選んだのだが、これが面倒なのだ。というのは、メモリー効果を防止するために、完全に使い切ってから充電する必要がある。悪くすると放電に1時間以上もかかってしまう。

それに、継ぎ足し充電ができないのは痛い。充電したてのバッテリを入れると1日は問題なく使えるのだが、2回目の途中でバッテリが切れることが多いので、その日はいつ切れるか分からない状態で使うことになる。これはすごくイライラする。それに、バッテリ電圧が落ちてくると、書き込み中にLCDがブラックアウトしたり(たぶん、書き込みのために必要な電力を得るためにLCDの電源を一時的に落とすのだろう)して、気分が悪い。

そういう苦い経験上、継ぎ足し充電ができる1700Zに魅力を感じる。急速充電器を買って、出かける前にフル充電しておけば、1日持つ。

いいカメラだと思う。ノイズが少しあるという話だが、色でそれをカヴァーできるくらいいい色なのだ。欲しいけど、デジカメを3台も持つ意味があるのか、という気もする。1台売り飛ばそうかと思ったのだが、どれも個性のあるいいカメラなので、どれか1台でもないと困る。うーん、どうするかな。


2001年2月3日



上の文章を書いて5年近く経った2005年末、1700Zを中古で購入しました。5000円。

デジカメを取り巻く状況も大きく変わりました。出荷台数でフィルムを抜き、普及率も相当な数字になっているはずです。とはいえ、コンシューマ向けコンパクトの画質だけに限れば、5年でそう画期的に変化したわけではありません。安定した画質を提供する製品が出る一方、ひどい画質のものもまだあります。平均点は高くなり、サイズが小さくなったことは喜ばしいですが、やはり「次元が違う」という画質を求めるならば、ディジタル一眼レフを買うのがベストです。

その意味で、高画質でコンパクトなデジカメ、というのは得がたい存在であることは今も昔も変わりません。オリンパスがフォーサーズの撮像素子を使って、ペン・ディジタルを出したら面白いんですけどね。


2006年2月10日