OLYMPUS PEN S 2.8


2004年3月2日購入。はじめはすごく汚い状態でした。購入から自分で清掃とモルト張替えをするまでの経緯はこちらの文章(LINK)をご覧ください。5000字近いので、まあお好きな方だけ。

このカメラは1959年発売の初代ペンの高性能ヴァージョンとして1960年に発売されました。改良点はシャッターとレンズ。前者は2枚羽根が5枚羽根に、後者は28mmF3.5が30mmF2.8に変更されています。またシャッター速度も変化があり、低速側が充実し倍数系列化されています。

あと外観にもファインダーまわりの黒い部分の仕上げや材質など微妙な差異があります。

ペンはレンズ部を含めても驚くほど薄く仕上がっていますが、半段明るいレンズを搭載したペンSは突出が4mm大きく、そして50g重くなっています。

リバーサルで撮るぶんにはマニュアル露出ができる分、ペンEEシリーズより使いやすいと思います。露出計は内蔵されていませんが、単体露出計を使えば全く問題はありません。また、距離計もありませんが5mでF8に設定しておけばほとんど被写界深度に入るので、逆にピントを触る必要がないとも言えます。近くのものを写す場合はさすがに不便ですが、そのあたりはカメラを使い分けるということで。

レンズはテッサータイプだそうですが、コントラストが高めかな、という印象を持っています。私は高コントラスト、比較的高彩度の写真が好きなので、好みです。ペンSで撮ったスライドをルーペで仔細に眺めると、すごく細かい部分まで描写されていて驚きます。

絞りは正面から見て設定するというわりと面倒な操作方法ですから、どちらかというと絞り優先的に使うべきなのかも知れません。あとシャッター速度が1/250までしかないので、ISO100のフィルムがぎりぎりで、可能であればISO64くらいがちょうどいいんじゃないかとも思っています。

デザインとしては、EEシリーズのようにファインダーあたりがもうちょっとすっきりしていたら、とも思いますが、ブライトフレーム入りのファインダーは見やすいので致し方のないところかも知れません。何にしても、あばたもえくぼ的カメラであることは事実です。


ペンS購入、修理記