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3.夏休みの撮影計画5.写真を撮る時


NewFM2用のレンズは28mmしか持っていないし、ペンタックスMXでもほとんど28mmしか使わない。

一般的には28mmは広角レンズだが、私にとっては標準になりつつある。ちょっと前にペンタックス用の35mmレンズを中古で買ったのだが、試写の時にファインダーを覗いて「あれ?」と思った。レンズが悪いのではなくて、私の目が28mmレンズの画角に馴染んでしまっているために、35mmレンズを付けたカメラのファインダーを覗くと、予想していた画角よりもひと回り狭い範囲しか見えなくて、「あれ?」ということになってしまったようなのだ。

だが、単にそれだけ28mmを使い慣れたということではないように思う。私が普通に風景や町並みを見たときの範囲を、もっとも自然に写し込めるのが28mmレンズだったようだ。というのは、35mm前後(135システム換算)からの3倍ズームレンズを搭載しているデジカメを1年ほど使っていて、ずっと「もっと広角ならいいのに」と思っていたからである。また、今年(2001年)の5月にフィルム・カメラに移行したときに初めて28mmレンズを使ったのにも拘らず、そこには違和感は一切なかった。


とはいえ、もう少し写る範囲が狭い方がいいな、と思うこともある。そういう理由からペンタックス用の35mレンズを買った。前述の「あれ?」という違和感に耐えて50枚くらい撮ってみると、被写体によっては35mmの方がいい場合もあった。狭い路地で町屋全体を撮る場合など、写し込みたい範囲が入らなくて困ることもあったが、35mmの撮り方というのがあるようだ。少し被写体に寄って全体ではなく部分を切り取ってみると、わりと感じがいい。今は28mmをメインに使っているが、35mmも徐々に使っていきたいと考えている。


標準レンズというと、普通は50mm前後のレンズを言う。それは人間が普通にものを見たときに色彩などのディティールが分かる範囲が50mmレンズの画角に近いからだという説明をされるが、誰がずっと「普通に」ものを見ているというのだろう。風景を撮る人はできるだけ広範囲を見ようとするし、ポートレイトを撮る人は相手の顔を見ている。また、バード・ウォッチャーは野鳥を凝視するだろう。だから、私にとっての標準は28mmである。ポートレイトを撮る人は中望遠が標準だろうし、野鳥を撮っている人に到っては、400mmが標準かも知れない。ひとそれぞれ、撮りたい被写体によって標準は変わる。だから標準レンズというカテゴライズにはあまり意味がない。そういうわけで、「標準レンズだから一応買っておこうか」という安易な理由で50mm前後のレンズを買わないでおこうと思っている。ペンタックス用のものは父から譲り受けたので、50mm F1.4があるので、買わないのはニコン用である。

2001年8月16日