メニュー表示

8.単焦点レンズの愉しみ10.50mmレンズの使いで


単焦点レンズの愉しみ(LINK)で書いたように、私は大抵の場合、単焦点レンズ1本だけを持って散歩しています。そうすると、その焦点距離では捉えられない被写体が必ず出てきます。それを許容できない人はズームレンズを使えばいいのでしょうが、私はそれはそれで楽しいと思っているので、単焦点1本で散歩しているわけです。


何が楽しいのかというと、撮りたいけど撮れないものがあれば、今度また違うレンズを持ってその場所に散歩に行けばいいと思うからです。

私は最近、町を撮るのが好きなのですが、いくら大量のレンズを投入しても、1回で見ることができるその町の表情なんてたかが知れていると思います。もし1回きりでその町の魅力を見尽くした、撮り尽くしたと感じたならば、おそらくそれは錯覚です。季節によっても天候によっても表情が違うでしょうし、自分の心持ちによっても見え方には変化があります。要するに、その季節、その天気の日に私が行って見た町の表情でしかないのです。もっと言えば、何度行っても町の表情を見尽くすことは叶わないでしょう。


だから、気に入った町であれば何度でも行ってもいいと考えています。そこにあるものは同じでも表情は微妙に違いますから。

その際に、同じ焦点距離のレンズを持っていくのではなく、違う焦点距離のレンズで行くことにしています。やはり、28mmレンズを持っているとそれに合った見方で町を見ているものですから、次の機会に50mmレンズを持っていくとその見方で見ることになって、以前は目に付かなかったものが見えてくる、という次第です。逆にレンズによって見方が固定されるという弊害もあるわけですが、ただ漠然と眺めるよりはいいのではないか、と思っています。


今行きたいと思っているところは神戸です。

神戸とひとくちに行っても、元町の商店街やハーバーランド、南京町や旧居留地、そして北野と、全く違った個性を持ったところがあります。私はまだ旧居留地と北野しか散歩したことはありません(他のところも行ったことはありますが、無目的に歩いたことはありません)から、これから行くべきところがたくさんあって楽しいですし、北野は3回ほど散歩している(1回目は2001年9月に50mmレンズで、2回目は2002年1月に28mmレンズで、3回目は2002年3月に20mmレンズで)ので、季節を変えてレンズを替えて、しつこく行くのもいいと思っています。また2002年3月には旧居留地にも行ったのですが、これが想像していた以上に魅力的で、町の隅々にまで神経が行き届いている印象だったので、その細部を捉えるべく、今度は標準レンズを持って行きたいものです。


神戸の他にも、一度は行ったけどまた行きたい町がたくさんあります。龍野も秋くらいに行きたいですし、奈良町にもまた行きたいな、と思っています。また、まだ行ったことはないけど行ってみたいところもいろいろあります。


気に入った町であれば、私が持っているレンズの焦点距離の数だけ(20、28、35、50、105、135の6つ)散歩してもいいと思っていますから、これから夏にかけての気持ちのいい季節を活用したいものです。


2002年3月28日