ニッコールレンズのオーバーホール

猪苗代カメラ工房にオーバーホールをお願いしていたレンズ3本が、10月19日に戻ってきました。

費用は50mm F2が9,570円、24mm F2.8が13,750円、20mm F3.5が15,400円でした。それに送料と代金引換手数料で合計40,750円。

NIKKOR-H Auto 50mm F2

カメラはキィートスに出したので、レンズは違うところで。

キィートスでオーバーホールしてもらったNikomat FTNの仕上がりに不満はありませんが、メールでのやりとりができないので、送ってから着手してもらうまで、そして完了してから発送してもらうまでの間に、電話に出られず時間ロスが発生してしまいました。できるだけ早く手許に戻ってきて欲しいし、それに関して余計な時間はとられたくない。

そんなわけで、いろいろと調べて見つけたのが猪苗代カメラ工房です。

問い合わせフォームからの回答も早く、電話してもいい感じだったので、3本送りました。

9月28日に問い合わせをし、9月30日に回答があり、10月2日に送ったところ、見積もりのメールがあったのが10月4日ですぐに進行を依頼。10月17日にオーバーホールが完了し、18日に発送なので、ちょうど2週間。早い。

レンズのオーバーホールを依頼した理由は、ヘリコイドがスカスカで、レンズにも汚れなのかホコリなのかカビなのかよくわからない異物があったから。

気にしない人は気にならない程度のものじゃないかと思いますが、ずっと気になっていました。だいたい古いレンズなので、何かしらの経年劣化はあるものですし、撮影して不具合がないのならそれでいいじゃないか、という気持ちはありますが、もしかしたら50年近くメンテナンスされていない可能性もありますし、ここでひとつ手を入れておきたい気持ちが高まったということです。

NIKKOR-UD Auto 20mm F3.5

結果としては大満足です。ヘリコイドも適度なトルク感で、写真では判らないと思いますが、レンズもすっきりとクリアになったように思います。

整備内容としては3本とも「オーバーホール、各部分解作動点検再調整、ヘリコイド油入れ替え、レンズ清掃」となっていました。

冒頭に記した金額について、50mmと24mmはオーバーホール費の方がレンズ購入金額より高いのが実際のところです。

しかし、だから高いとは思いません。絶対的に考えて、レンズの分解清掃がこの価格、というのは適正だと私は思っています。

どちらかというと、50年も前に作られたレンズが今でもオーバーホールできることに驚きを感じます。キィートスにしても、猪苗代カメラ工房にしても、ニコンにお勤めだった方が退職後に始められたそうなので、この時代のレンズに実際に携わっておられたのではないか、と推察するわけですが、そういう方々が現役のうちに整備しておいてよかった、と思います。

気になるレンズはまだあるので、またお願いするつもりではいます。

このブログにも書いていますが、もともとこれらのニッコールレンズはNEX-6にマウントアダプタを付けて使うつもりで買ったものです。紆余曲折があり、マイクロフォーサーズシステムをメインにしたり、EOS 5D MarkIIに新しいレンズを付けて写真を撮ったりしている間にほとんど使わなくなりました。

NIKKOR-N·C Auto 24mm F2.8

EOS用の新しいレンズは性能的には素晴らしいものがあります。タムロンの35mm F1.490mmマクロ、純正の16-35mm F4のズームレンズなどは、もう「これ以上に何が必要なのか」という性能です。

とはいえ、EF 50mm F1.4 USMのような、昔ながらのレンズもいい感じです。というか好きです。

そう考えると、ニッコールレンズも有効に活用したいな、と思うようになり、Nikomat FTNを整備に出したのが始まりです。

すぐに飽きるのではないか、という危惧もありましたが、実際に久しぶりに撮ってみると、フィルム装填に失敗したりしながらも、楽しい。カラーじゃなくてモノクロにしたのもよかったと思います。

以前にカラーネガで撮影したものをデジタル化してみたり、昔リバーサルで撮ったものをEOS 5D MarkIIで撮影したりもしましたが、カラーはデジタルカメラで撮る方が早いし綺麗だから、わざわざフィルムで撮る必要はない、と私は思っています。

しかし、モノクロとなると話が変わってきます。モノクロフィルムをカメラに通した瞬間から、大げさにいうと物の見方が変化します。デジタルで撮る時の被写体の探し方とは違う視点を持たざるをえない。そしてそれが楽しいんだと思います。

そんなわけで、近々オーバーホールの終わったレンズでモノクロ写真を取りに行きたい。