Leica IIIfを買ってから、ライカスクリューマウントのレンズをオンラインショップや店頭で細かくチェックしています。
最初は50mmだろう、とCANON LENS 50mm F1.8を手にいれた後は35mm、28mmというふうに、興味に任せて少しずつ揃えていきました。まあ、28mm、35mm、50mmがあれば、まず困りません。
25mmとか21mmといった広角は、面白そうですが使用頻度が低いし、必要なら一眼レフで対応すればいいかな、と思います。また、90mm、135mmといった望遠は殆ど使わないし、距離計でのピント合わせが精度的に苦しい、ということを聞くので、安くて魅力的ではあるのだけれど、こちらもパス。
ライカスクリューマウントのレンズは、新品ではコシナ、LIGHT LENS LAB、銘匠光学はすべて売り切れているようです。まあ、新品があるからといって、それを買うかどうかは別の話ですが。
ライカスクリューマウントのフランジバックはMマウントとちょうど1mm違うので、L/Mリングを介して、Mマウントのボディに取り付けられます。だから、レンズはライカスクリューマウントの方が便利じゃないかと思うのですが、まあ需要の違いでしょうね、単に。Mマウントはライカだけじゃなくて、マウントアダプターを介してミラーレスに取り付けて使えるので人気は高いのでしょう。それに今どきネジ式のマウントってどうなのか、とは私でも思います。レンズ交換がわりと手間取ります。
でも、ライカスクリューマウントの古いレンズは好きです。小さくてキラキラしていて、ずっしり重い。性懲りもなく35mmと50mmのレンズを追加で買ったりして。
フィルムだと絞り込んでいるし、フィルムの解像性能がデジタルよりも低いこともあり、現代的なレンズとはそんなに大きな差は感じていませんでした。逆光には弱いけれど、順光ならそんなに違わないんじゃないか、と。
デジタルで撮ったらどんな感じになるんだろうか、とマウントアダプターを入手し、E-M1に取り付けて、絞りを変えながら撮影してみたところ、開放付近ではわりとはっきりと違います。具体的には、フレアが多かったり、周辺部の描写が甘いものが多い。また、絞り込んでも周辺部の流れは、広角になるほど目立ちます。マイクロフォーサーズが使う中心部だけでこの評価ですから、フルサイズだと、その差はもっと大きく感じられるのではないか、と感じます。とはいえフルサイズのミラーレスは持っていないので、それはまた別の機会に。
何にしても、やはりレンズは進化しているんだな、と思うのと同時に、モノとしての質感は低下していく一方じゃないか、と考えてしまいます。
もちろんレンズは写真を撮るものであって、そのもの自体を愛でるためのものではありません。しかし、所有する以上、愛着を持って接してしまうわけで、そうなると質感は大切です。
最新のレンズは特にラバー系の材質が劣化しやすいように思います。滑りにくさやハンドリングしやすさの面で、ラバー素材の優位性は確かにあると思いますが、白っぽくなったり、ベタベタしたりした個体を見るに、古いライカスクリューマウントレンズの味のある経年劣化との差を感じてしまいます。
レンズが工業製品である以上、やはり性能向上とコストダウン(=利益の向上)を目指して作られるものなのでしょう。レンズメーカーが営利企業であり、ある程度の数を製造し販売する以上、コストを管理する、もっといえば性能とコストはバランスしている必要があります。コストの中には人件費も含みますから、面倒な工程を廃した効率的な製造ラインも必要です。
それは昔も今も同じなのでしょうが、古いレンズは、設計や製造に関しては現在の技術と比較するとプリミティブな部分が多くあり、それを人の熟練度でカバーする必要があることから、手のかかった製品になりがちだったのかもしれません。
材質も樹脂製パーツを今ほど高精度に作れなかったから、精度を担保できる金属で作っていたのではないでしょうか。最近も金属外装のレンズはありますが、古いレンズの「金属とガラスだけでできているんだな」という感触とは大きく違います。同じ古いレンズでも、一眼レフ用の古いニッコールレンズと比較して、ライカスクリューマウント時代のニッコールレンズは更に質感が高いです。時代としては10年~15年くらいの違いだと思いますが、それだけでも随分と違うものです。
もちろん、光学的な性能という意味で、現代のレンズは優秀です。TAMRON SP 35mm F/1.4 Di USD (Model F045)の性能を信頼していますが、四隅の描写などは歴然とした差を感じます。絞り開放から実用に足る性能です。その分重いですが、その重さを甘受するだけのことはある、とかねがね思います。あわよくばFマウント用も欲しいと思っているくらいです。
でも、ついつい見てしまうのはライカスクリューマウントのレンズです。
夜更けにLeica IIIfにレンズとファインダーを付けて、空シャッターなどを切っていると、このセットで写真を撮りに行きたいなあ、としみじみと思います。






