NIKKOR-H・C 5cm F2

NIKKOR-H・C 5cm F2

沈胴の50mmレンズが欲しくて探していく過程で見つけたレンズ。

なぜ沈胴かというと、バルナックライカのコンパクトさが活きるな、と思ったから。35mm、28mmと使う中で、やはり外付けファインダーはかさばります。また、50mmレンズでも固定鏡胴のものは意外と突出します。それにフードを付けるとファインダーが大きく蹴られてしまい、バルナックライカには沈胴レンズがいいんじゃないか、という結論に達しました。

最初はエルマー5cmを買おうと思っていたのだけれど、バリエーションが多岐に渡り価格の幅も広すぎて、どれを買うか決断できずに悩んだ挙げ句、国産の沈胴レンズもいいな、と思うようになり、いろいろなブログやショップサイトを見ました。

そんな中で全然探していなかったこのレンズを東京カメラのネットショップ発見しました。38,500円。程度はB(良品)でレンズの状態は「僅かなホコリ程度でクリア」。14日間の保証付き。全く沈胴じゃないのだけれど、前から気になっていたレンズだし、こういう出会いは大切にしようと、買うことにしました。

2025年3月13日注文、15日着。

3.5cm F2.5に続き、ライカスクリューマウントのニッコールは2本目です。

2本のライカ・スクリューマウントのニッコール

ニッコール・レンズは一眼レフ用で慣れ親しんでいますし、オートフォーカスのレンズも所有しています。性能的には新しい方が高いとは思いますが、古いほど質感は高くなりますね。

特徴としては、レンジファインダー用レンズの最短撮影距離は多くが1m程度の中、距離計に連動しないものの1.5フィート≒45cmまで寄れる点。フィルムで撮る場合はメジャーなどを用意する必要があり、あまり実用的ではないと思います。ただ、デジタルで撮る場合はわりと面白い機能です。

レンズの詳細はニッコール千夜一夜物語をご覧いただくとして、少し補足。ハンザキヤノンやセイキキヤノンに採用されていた同じスペックのレンズと設計が同一かは、千夜一夜物語の記事を読むと同一のような書き方ですが不明。1946年に登場した同名のレンズは沈胴で、その後簡易的な固定鏡胴になり、最終的に千夜一夜物語の冒頭の鏡胴に改められます。また固定鏡胴の中でも後期は絞りリングがブラックになっています。ニコンのレンジファインダー機であるSシリーズ用の標準レンズとしても採用されているので、そちらは光学系は同じですが、マウントが異なります。

CANON LENS 50mm F1.8と同じようなスペック、同じようなデザイン。キヤノンの方が272gでニコンが218g(どちらも実測)なので、キヤノンの方が少し重く大きい。Leica IIIfに取り付けて置いたとき、ニコンの場合は前傾しないのが嬉しいところ。

Leica IIIfに取り付けたところ

発売年次としてはキヤノンの方が新しく、E-M1にマウントアダプタを介して取り付けて試し撮りしてみたところ、開放ではキヤノンの方がフレアが抑えられています。ただまあ、シャッター速度が最速1/1000のカメラで開放をどれくらい使うか、というのは難しいところです。F5.6かf8になると、全面的に均一になります。

エルマーはいつか欲しいですが、いつかどこかで出会うまで待つことにして、沈胴レンズ需要は今のところはIndustar-22にお任せしようと思います。