2024年10月29日、マップカメラのサイトで注文、31日着。価格は15,800円、ポイント10倍キャンペーン中で1,437ポイント付いたので、実質14,363円。
程度は並品で使用感あり、薄クモリあり、動作良好という内容。16,800円で掲載されているのを見ていて、うーん、と考えてしまいました。使用感ありとは言いながら、深い傷や腐食はなさそうで、汚れているだけ、という印象です。価格的にも手頃。フリマサイトやオークションサイトなら、より安価なものもありますが、初期不良対応と3ヶ月保証が付いています。ヘリコイドや絞りリングの状態は明記がないけれど「動作良好」なんだから、致命的な問題はないんだろうか、と考えながら、その時は決断できず。
それが29日の会社帰りにみたら1,000円値下がりしていたので、えいや、と注文しました。
ここ数日、ライカスクリューマウントレンズが気になって仕方ない。Leica IIIfに相応しいレンズが欲しい。INDUSTAR-22 5cm F3.5には悪いけれど、もうちょっと風格のあるレンズが欲しい。ライツ製がいいな、と思うのだけれど高い。それでは他に何があるのか、とレビューを読んだり、ショップサイトを覗きに行ったりして、日常生活に支障をきたし始めていました。
いろいろと調べたところ、製造から年月が経っている(70年以上)だけあって、程度の差、価格の差が大きすぎる印象があり、レンズやヘリコイド、絞りリングの状態を確認した上で、納得して買いたいな、と考えました。そんなわけで10月27日にカメラのナニワの心斎橋本店か、なんばマルイ店、もしくはどちらもに行くつもりでした。その2店舗なら、ライツ製、日本製ともにそこそこ品揃えがよさそうで、何らかの納得できる個体に巡り会えるだろう、という期待。
しかし、直前になって、やめました。この気持ちの高まりだと、どうしても欲しくて高いものでも買ってしまうな、と思って、ぐっと我慢。でもまあ、その2日後に我慢できずネットで注文してしまったわけですから、我慢しきれていないのだけれど。
候補としては50mmで明るすぎないもの。私はだいたいきっちり写るレンズが好きです。ゴーストやフレアはできるだけ出したくない。あと、開放での滲みは仕方ないとして、絞り込めばちゃんと解像して欲しい。となれば、F2クラスのものが確実だと思います。ニッコールやセレナー、トプコール、ヘキサノン、ロッコールなど、魅力的な名前が並びます。一眼レフ用のニッコールは持っているけれど、レンジファインダー用はまた違った魅力があります。
表題のレンズの話に戻りますが、「安物買いの銭失い」になるんじゃないか、という危惧を感じながら、写真で見た感じは悪くなさそうだし、と自分を説得して決済。そして31日の夜、帰宅すると荷物が届いていました。いつものマップカメラの箱。すぐにでも確認したい気持ちはありますが、お腹が減って焦って落としたりしたら元も子もないので、まず晩ご飯。その後、いそいそと開梱。小さいけれど、ずっしりと重い。金属とガラスの塊。
まずはピントリングの動きを、あれっ、動かない。あ、無限遠ロックか。意外としっかりしている。少なくともスカスカじゃない。絞りリングは重いような気もするけれど、カチカチとクリックは明確でひっかかりはありません。このあたりからニヤニヤが止まらない。これはいいレンズじゃないだろうか。試し撮りをするまでは何とも言えないけれど、その重量感、操作感にやられてしまっていました。
細かく見ていくと、全体的に薄汚れています。ピントノブの隙間にはゴミみたいなものが溜まっている始末。鏡胴のメッキも全体にくすんで見えます。でも、こういうのって拭いてあげたら綺麗になることが多い。ゴミは爪楊枝で除去し、アルコールを含んだウェットシートで拭き、マイクロファイバークロスでから拭きすると、メッキの艶めきが復活したように感じました。これは拭き甲斐がありそうです。
お風呂に入って洗濯もして、みな寝静まった後、無水アルコール、綿棒、キムワイプ、セーム革などを駆使して、傷付けないように、丁寧に清掃していきます。隙間を拭くごとに茶色い汚れが落ちて、キラキラが増していきます。レンズは写真を撮るものであって、拭いて楽しむものではない、というのは自明ではありますが、どんどん綺麗になるのが嬉しい。
レンズ自体は表面に浅い傷があったり、ゴミの混入もありますが、まあ70年前のものと考えれば綺麗なものです。
カメラに取り付けてみます。おー、恰好いい。いや、恰好よすぎると言った方がいい。しかし重い。272gというのは、TAMRON SP 35mm F1.4の815gと比べれば、数字上は1/3しかないわけですが、比重が大きい印象です。それにカメラが410gなので、レンズの重さが強調されます。あと、コンパクトなレンズだと思っていたのに、ボディと比べると大きめなくらいです。
さて、どんな写真が撮れるかな。ILFORD XP2 SUPER 400を通して、連休中に現像して結果を確認したいところです。
スペック等はキヤノンのサイトが詳しいです。Serenarの名前で出ていますが、注釈にあるようにCanon Lens銘と同じレンズです。