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1.カメラ・バッグ3.BESSA-Rが欲しくなった理由


ニコン用50mmレンズを安易な理由で買わない、と少し前に書いたばかりなのに(LINK)、こんなことを書くのは気が引けるのですが、その50mmレンズを買ってしまいました。

もちろん、50mmレンズでも買っておこうか、という理由で買ったのではありません。いろいろと考えた結果、やはり50mmが一番使いでがあるのではないか、という結論に達したから買ったのです。

最初のうちは、最近発売された45mmのパンケーキ・レンズを買おうかと思っていたのですが、F2.8と暗いですし、4万8000円もするのです。パンケーキ・レンズは暗いものですが、標準レンズは明るさも魅力のひとつだと思っているので、ちょっと購入意欲が削がれました。これで3万8000円だとコンパクトだしリーズナブルで魅力的だと映ったかも知れないのですが。

そして最近、町屋などの室内を撮ることがあって、ISO400のフィルムを入れていても、F2.8のレンズだと1/15秒のスローシャッターを切らないといけないことがあって、あと1段くらいは明るいレンズが欲しいなぁ、と思っていたのです。

それと28mmを使う場合は、わりと引いて、建物全体や建物と背景を入れるようにして撮ることが多いのですが、それだけではなくて、もうちょっと寄って背景をぼかした写真も撮りたいと思うようになってきたのです。その上で、風景、スナップを撮ることを考え合わせた結果、開放F値の明るい50mmレンズがいいのではないか、ということになったわけです。

また、私は50mmという焦点距離が苦手です。だから、それを克服したいという気持ちもありました。28mmというのは、遠近感が強調されるので、普通に撮ってもある程度の意外性があって、わりといい写真のように見えるという効果があるようなのですが、50mmは、遠近感は肉眼よりも強調されるようですが、画角は狭く、28mmのような意外性はありません。だから、きちんと構図を考えて、意図して撮らないとダメなのです。私はそれができなくて、ひけ目を感じているのです。だから、50mmに挑戦したいとはずっと考えていました。


Ai Nikkor 50mm F1.2S

ニコンのマニュアル・フォーカスの50mmレンズは2本あります。F1.4とF1.2です。以前はF1.8もあったのですが、現在は生産されていません。普通はF1.4でしょう。充分明るいですし、リーズナブルです。しかし結局のところ私は、F1.2の魅力の前に、そして1万6000円というあまり大きくない価格差の前に、F1.4が欲しいと思ったことは一度もなかったのです。F1.4が出てくるのは「普通に使うならこれで充分じゃないか」という文脈の中でしかありません。「F1.2が欲しいなぁ、でもF1.4で充分だよな」ということですね。しかし、最大の障害は、私ごときがこんなレンズを買っていいのかな、そして私はこのレンズを使いこなせるかな、という気持ちの方でした。でも結局、どうせお金を出すのなら欲しい方を買おうじゃないかと思い、Ai Nikkor 50mm F1.2を買いに行きました。

最初に訪れた店は、展示品はあるので、それを指差して「すいません、これください」と言うと、3分くらい待たされた挙句、在庫がないということでした。展示しているのに在庫がないってどういうことだ、と思いましたが、まぁないものは仕方ありません。それで次に行った店は、ニコンのMFレンズの展示品は一切ないのですが、わりと有名なところなので聞いてみると在庫が1つだけありました。で、もちろんそこで購入しました。5万円弱でした。

実際に現物を手にし、そのずっしりとした手応えを手のひらに感じ、宝石のように美しいレンズのきらめきと真新しい真っ白のNikkor 50mm 1:1.2という刻印を目の当たりすると、罪悪感と不安が入り混じった居心地の悪さを感じます。前述のように、私ごときがこんなレンズを買ってよかったのかな、という罪悪感、そして私はこのレンズを使いこなせるだろうか、という不安です。ただ、この居心地の悪さに打ち勝つべく、よし、このレンズでいい写真を撮ってやるぞ、という意気込みも沸いてきています。早々に試写に行こうと思っていますが、試写だからといって適当に近所の写真でお茶を濁すのではなくて、ちゃんと計画を立てて、きちんと写真を撮って、ギャラリーとしてアップしたいと考えています。この意気込みがいい方に作用してくれるといいのですが。

今日発売になった竹内まりやのアルバムは、収録されている曲さえ確かめずに買ったのに、このレンズ1本に関してはすごくいろいろと考えました。なんだかすごく疲れました。


2001年8月23日


4.標準レンズ(雑文)

10.50mmレンズの使いで(雑文)