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11.ペンタックスMX入手13.2台目のカメラ選び


私はデジカメで写真に目覚めた。2000年の5月のことだ。デジカメを買って、写真を撮り、それを見てまた撮り、ということを続けた。調べてみると、この1年で1400枚くらいは撮っている。1日平均4枚弱ということになる。

しかし、月平均にすると、初めのうちは200枚だったものが、100枚台になり、そして最近は100枚を切るようになった。また、4月は1枚も撮っていない。

その原因というのが、即ちデジカメへの不満なのである。これは、自分の腕の問題をデジカメに転嫁しているわけではない。いろいろと考え、調べた結果、デジカメの限界を感じたのである。


Web上に公開している私のギャラリーを見て戴ければ分かりよいと思うが、空が白く飛んだり、若しくは建物が黒く潰れた写真の多いこと。そして、色がすっきりしていない。緑は濁り、赤は褪せ、青は変に白っぽい。曇りの日などに撮ったら、それはそれはひどいことになる。ホワイト・バランスはコントロールされているので、青くなったりすることはないが、もともと抜けの悪い色が、さらに悪くなる。

先日、ペンタックスのMXという25年前のカメラで写真を撮った。その日は曇りだったので、空はどんよりとしているのだが、きちんと雲の表情が描写されているのだ。また、デジカメよりは少ないとはいえ、白飛びも発生するのだが、飛び方がごく自然で、不快感がない。25年も前のカメラで撮った写真は、最も新しいカメラであるデジカメで撮ったものと比較して圧倒的に綺麗なのだ。画面の隅々までクリアで、シャープ。デジカメで撮った場合の、ピントが合っているのか合っていないのか分からない画面とは大きく違う。

また、本質的な部分ではないが、28mmという画角は風景を撮るにはベストであると思う。デジカメでこの画角は得られなかった(大抵が35mmより長い)ので、大変に嬉しい。

カメラの質感も圧倒的である。ペンタックスMXがフルマニュアルでかつ、金属製であるというのも大きく関係しているが、ヘリコイドを回した時の程よい抵抗と滑らかな感触、すっきりと見やすいファインダー、はっきりと確認できるピント、カメラを持った時の剛性感と、それに起因する安心感というのは、私が持っている8万円程度のデジカメでは得られないものである。

というわけで、これから私はフィルム・カメラに移行する。デジカメは散歩カメラ兼メモ用としては使い続けるが、「ここぞ」という時に持っていくのはフィルム・カメラということになろう。


2001年5月8日

PENTAX MX