EOS-1 HSの使い心地

購入に至る経緯はこの記事に書いた通りです。詳細はキヤノンカメラミュージアムの紹介ページをご覧ください。スペックはEOS-1のページが詳しいです。

EOSは2003年にEOS 650、2005年にEOS 50E、2008年にEOS 30D、そして2020年にEOS 5D MarkIIを、と書きながら、そんなに買っていたんだな、と驚いています。EOS以外にもいろいろとあるので、生粋のEOSユーザーというのではないですが、AF一眼レフとしては一番馴染み深いように感じます。

EOS-1の発売は1989年、平成元年。AF測距点は中央1点というのが時代を感じます。ただ、クロスタイプのセンサー採用でしっかりと速い。シャッター速度は最速1/8000と、今でも充分なスペックです。

EOS-1 HS + EF 50mm F1.4 USM

EOS-1 HSは通常のEOS-1にパワードライブブースターE1を装着したモデル。5.5コマ/秒なので、今となってはそんなに速くはない。ちなみにEOS 5D MarkIIが3.9コマ、Nikon Dfが5.5コマ、E-M1が10コマ(手ブレ補正OFF時)。ミラーレスは速いですね。というか、連写はしないんだけれど。パワードライブブースターのおかげで、単3型乾電池が使えるのがよい。通常のグリップだと1,000円くらいするリチウム電池が必要で、割高な感じがしてしまいます。ただ、単3型乾電池を8本入れるので、とても重い。1.5kgくらいはあると思います。先日、TAMRON SP 35mm F/1.4 Di USDを付けたら、ものすごく重かった。2.3kgくらいになっていたはずです。

使用感はとてもいい。ファインダーもいいし、シャッターもいい。ボディが重いせいか、ミラーショックもあまり感じません。EOS 650やEOS 5D MarkIIと比べると、気合いの入り方がちょっと違う感じがします。キヤノンがEOSのラインナップをより盤石なものにするための、最上位機種という位置付けで投入したモデルだからなのかもしれません。このカメラを買ってしまった理由はそこにあります。このクオリティのカメラが15,800円。うん、買います、的な。

フィルムのオートフォーカス一眼レフって、あんまり人気がないように思います。私自身、どちらかというと、マニュアルフォーカスの方が好きです。古い一眼レフはカメラ自体もレンズも、ものとしての魅力に溢れています。巻き上げの感触や、ヘリコイドのトルク感、ファインダーの見え方など、それにしかない美点はたくさんあって、それは最新のデジタル一眼レフやミラーレスにはないものです。それに対して、フィルムのオートフォーカス一眼レフは、固有の美点が少ない。フィルムを通すか、撮像素子が内蔵されているかの違いだけで、機構的にはデジタル一眼レフとほとんど同じです。EOS 5D MarkIIとEOS-1 HSを使っていて、シリーズの違いによる操作性の差異はありますが、使い方は基本的に同じです。撮影した写真がすぐに確認できるかできないか、というだけの違い。というようなことを考えていたのですが、EOS-1 HSを手にすると、そうではないんじゃないか、と思うようになりました。外装が金属であるとか、マニュアル操作できるダイヤルがあるとか、そういう記号的なものとは別に、持ってはじめて、使ってはじめて分かる「もの」としての質感の高さがあって、そういうカメラを使うのが楽しい。

そんなわけで、重いんだけど、次もEOS-1 HSにフィルムを通そうかな、と考えているところです。レンズを軽量なEF 40mm F2.8 STMにすればいいんじゃないか。