購入に至る話はこちらを参照してください。ここでは使った印象を書きたいと思います。
初めて手にしたときの印象は「意外と軽いな」でした。バッテリーグリップ付きのEOS 5D MarkIIやNikomat FTNを使うことが多かったので、そう感じたのだと思います。
次に感じたのが、デザインのシャープさ。ペンタカバーに代表される、エッジが立っている感じ。恰好いい。
ファインダーは倍率が高く、Nikomat FTNと比べると明るい気がしました。
そして、巻き上げてみると、分割巻き上げができるのが嬉しい。ただ、レバーの感触は驚くほど華奢です。まずレバー自体が薄い上に、上下方向に遊びがあり、最後の方でひっかかりを感じます。
Nikomat FTNの巻き上げレバーは厚みがあり、がっちりしています。高級感はないけど、安心感はすごい。
大丈夫かな、と心配になってネットで調べてみると、NIkon Fの巻き上げは「そういうもの」らしいです。
シャッター音は横走りだからか、静かです。くぐもった音がします。
あと、シャッターボタンの位置が変わっていますが、そんなに大きな問題にはなりません。
全体的に言って、恰好いい一眼レフだな、という感じです。
1959年に発売されたNikon Fは、こんにちの感覚からすると、とても古い、よくいえばクラシカルなカメラです。しかしながら、フィルムで写真を撮る上で、必要なものはすべて揃っていますから、きちんと実用できます。
ただ、裏蓋取り外し式なのは、ちょっと使いにくいです。立ったままフィルム交換するのは難しい。とはいえ、ベンチやテーブルなど、安定した置ける場所があれば問題ありません。
露出計がないのは困るかな、と思いましたが、実際に使ってみると、そんな大きな問題ではありません。スマートフォンの露出計アプリと今までの経験を頼りに撮影したところ、ILFORD XP2 Super 400というモノクロフィルムを使う限りでは、ちゃんと撮影できていました。
Nikon Fを買った理由は、前回書いた通り「Fひと桁」とは一体どういうものなのか、という興味と、風格ある恰好いいカメラに対する憧れだったので、その目的は達成されています。ニッコール・オート世代のレンズを付けたら、もうすごい。
実際の撮影で、ガンガン使いたいと思います。