Nikomat FTNのこと

Nikomat FTN + NIKKOR-N·C Auto 24mm F2.8

Nikomat FTNの整備が終わり「Nikomat FTN熱」が高まっているので、それにまつわる文章を書いてみようと思います。

前にも書きましたが、Nikomat FTNを手に入れたのは2005年8月のことです。細かいことは忘れたのですが、仕事のせいで写真を撮らなく(撮れなく)なっていく時期と重なったこともあって、数回しか使っていませんでした。

もともとはNewFM2を手放したあと、重量級のニッコールレンズに似合うボディが欲しくて、手頃でデザインも悪くない、ということで手に入れました。

そのときに調べたのだと思いますが、Fマウントのニッコールレンズって、いろいろとややこしい。私がざっくりと把握しているのはマニュアルフォーカス(MF)レンズのことくらいですが、ニコンFと同時に発売された「オート・ニッコール」から始まり、マルチコートされて「C」が付き、外装デザインが変更された「ニュー・ニッコール」になり、Ai方式を採用した「Aiニッコール」、そして、絞り連動レバーの動きと絞り値の変化をリニアにしてシャッター速度AEやプログラムAEに対応させた「Ai-Sニッコール」となります。Ai-Sは2020年まで生産されていました。

マウント自体は同じなのですが、どの世代のレンズが取り付けられるか、また、取り付けられたとしても開放測光が出来るか、絞り込み測光になるか、露出計は作動しないか、という違いがあります。

例えば、以前持っていたNewFM2はAiニッコール以降のレンズしか取り付けできません。まあ、AiニッコールまたはAi改造されたレンズを買えばいいのだけれど、Ai改造されていないオート・ニッコールは安い。レアでない限り1万円しません。そのわりに質感がすごい。オート・ニッコールの全金属のローレットは、使い込んでも剥げるだけで、逆に恰好いい。最近知ったのですがアルミにペイントしてあるらしいです。あのしっとり感はペイントだからなのか。

Nikomat FTNの美点は「露出計連動爪が付いている全てのレンズ」で開放測光できる点です。これがNikomat FTNを買った理由のひとつでもあります。Nikomat FT2または、Nikomat EL、またはNikon F、F2の半自動開放F値設定機構に対応したフォトミックファインダー付きの機種でもよかったわけですが、Nikomat FTNはシャッターが機械式で好みだったし、何より玉数が多いのでとても安い。ヤフオクとはいえ、ちゃんと動くものがレンズ付きで6,500円ですからね。

この半自動開放F値設定機構、通称、ニコンのガチャガチャが便利。絞りをF5.6に設定してレンズを取り付け、最小絞りまで絞り込んだ後、開放絞りに設定すると、開放F値がセットされて露出計が連動します。昔ながらといえば昔ながら、面倒といえば面倒なのかもしれないけれど、実用的に問題がないし、何より「露出計連動爪が付いている全てのレンズ」が使えるわけだから、MFのニッコールは全部開放測光で使える。素晴らしい。

手持ちのレンズは古いものばかりで、ヘリコイドがすかすかのものもあり、レンズの状態が気になるものもあるので、メンテナンスしてもらうことにしました。10月2日にNikomat FTNに付いてきたNIKKOR-H Auto 50mm F2、2019年2月8日にキタムラで買ったNIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8、そして2018年5月24日にサンライズカメラで買ったNIKKOR-UD Auto 20mm F3.5の3本を「猪苗代カメラ工房」に出しました。2、3週間かかるそうなので、10月末には戻ってくると思います。

フィルムもあり、フルサイズもあり、マイクロフォーサーズもあり。楽しいな。