Konica IIIA

2023年12月23日、ナニワグループオンラインをチェックしていたら、程度のよさそうなKonica IIIAが2台ありました。22,000円と21,700円で、付属品や状態については一切明記がなく、記載があるのは「保証なし」のみ。搭載するレンズは前者が48mm F2で後者が50mm F1.8。電話して「程度はどうですか」と聞くことも考えましたが、質問が多岐にわたる上、結局現物を見ないで判断はできないだろうと、最寄りの店舗に取り寄せることにしました。最悪の場合、キャンセルもできるらしいので、安心です。

Konica IIIAの存在は少し前に知りました。「生きているファインダー」。パララックス自動補正機構と等倍ファインダー、採光式ブライトフレームを搭載したレンジファインダー内蔵カメラ。端正なデザインが魅力的だな、と。そのファインダーを実際に体感してみたい、という気持ちが高まり、取り寄せるに至った、というわけです。

九州の店舗から京都に取り寄せるので、届くのは25日以降だろうし、動けるのは28日だから…と考えていたら、24日の17時過ぎに届いたとの電話がありました。19時30分までの営業なので、間に合う。じゃあ行こう、と一旦決断したものの、その日はクリスマスイブでケーキも買ってあるし、晩ごはんもクリスマスっぽいのを用意する予定だし、と行くのをやめました。だいたい、焦ってよい結果は得られない。もともとの予定通り、仕事納めの28日、早めに終わってから行くことにしました。

現物を確認しに行くまでの間、コニカのレンジファインダーカメラについて調べたところ、とても詳しいサイトを見つけました。驚いたのが1958年という発売時期でした。アサヒペンタックス(AP)が1958年、Nikon Fが1959年の発売なので、レンジファインダーが主流だった時代の終りに近い時期です。持っているカメラで一番古いのが、レチナIaの1951年なので、それに次ぐ古さ。

操作についてはYouTubeで下調べ。動画はこういうとき、とても便利ですね。裏蓋の開け方、レバーによる巻き上げ、シャッター速度と絞りの操作方法など、滞りなく動作確認できるように予習しておきました。

夕暮れの四条大橋

首を長くして待った28日。仕事終わり、電車を乗り継ぎ京都、四条へ。

日も暮れかけた京都で、ついに現物確認しました。

ぱっと見るとどちらもキラキラしています。ファインダーが大きい。

まず50mm F1.8。レンズの存在感が強い。レンズもファインダーはクリア。二重像もちゃんと見えて、ピント合わせも容易です。次に48mm F2。こちらもレンズとファインダーは綺麗。レンズが小さめで、50mm F1.8よりも少し軽いようです。持ったときのバランスはこちらの方がいいように感じました。どちらもしっかりしたカメラです。
動作確認を順にしていきます。独特の巻き上げレバーの動作は特筆するほど軽快ではないようですが、ひっかかりなどはありません。シャッターも全速切れています。
残念なことに、50mm F1.8の方は裏蓋を開く機構がうまく動かないようです。ふいに開けられなくなる。先の尖ったもので助けてあげると復帰しますが、完全ではない。また、48mm F2の方はシャッターのバルブが不良です。普通にプンッと切れてしまいます。まあ、65年前のカメラですからね。どちらも修理可能かな、と想像しますが、裏蓋が開かないときがある、というのは使う上でちょっと困ります。それに対してバルブ不良は私にとってそんなに大きな問題ではないと感じます。買うなら48mm F2だなと思います。

あとは買うか買わないか。さあ決断の時間です。Nikon Fを購入したときの文章でも書いたように「所有したいと望むものにまつわる厄介事を抱え込む覚悟があるのか」という問いに「イエス」と即答できるか。22,000円。しかし、バルブが機能しない。このカメラに22,000円の価値がないとは思いません。しかし、販売サイトに明記されていない不具合があるわけですから、元の価格では買えない。気持ちの問題です。自分の中で、20,000円なら買う、と決め、店員さんに「ちょっと安くなったりしますか」と聞いてみました。初めて中古カメラの値引き交渉。買取価格などの資料があるのか、いろいろと調べて「では、20,000円でどうですか」と。ぴったり。「はい、買います」というわけで、私のものになりました。

Konica IIIA Hexanon 48mm F2

純正のレンズキャップが付属していました。フードは別で購入しました。

使用感はまた後日。