Nikomat FTNとNikon F

2005年8月に購入したNikomat FTNと2021年10月に購入したNikon F。ニコンFマウントのボディが2台体制になって半年ほど経ち、気づいたことなどを書いてみたいと思います。

Nikomat FTNとNikon F

フィルムカメラはニコンFマウント以外にもいくつかあり、手もとにおいているのは、キヤノン EOS 650、キヤノンFTb-N、Retina Iaの3台があります。とはいえ、メインはニコンFマウントです。

最大の理由は恰好よさ。ニッコールオート世代のレンズと、この2台の組み合わせは、ちょっと他にはない恰好よさだと思っています。

Nikomat FTNはオーバーホールしてもらっていますし、Nikon Fもシャッター調整済みのものを買ったので、信頼性が高いだろう、という安心感と、レンズが最も充実しているから。

スペック比較

2台のスペックを表にしてみました。記事中で必要な項目だけです。

名称Nikoma FTNNikon F  
発売年月1967年10月1959年6月
サイズ148×95×54mm147×98×54mm
重さ765g685g
ファインダー視野率92%100%
ファインダー倍率0.86倍0.8倍
内蔵露出計ありなし
シャッター速度1~1/1000秒1~1/1000秒
巻き上げレバー式(分割不可)レバー式(分割可)

どちらもニコンFマウントの一眼レフ。50~60年も前の製品ですから、どちらも古いです。ただ、Nikon Fは設計に「特に」古いところがあります。

実使用に最も影響するのは、露出計がない点と、裏蓋取り外し式である点です。

サイズはほとんど同じ。Nikon Fの方が軍艦部が低いのでシルエットはいくぶん違います。重さは80gの差があり、これは持ち比べると分かる程度です。

ファインダー視野率と倍率が違います。Nikomat FTNは92%に対して、Nikon Fは視野率100%(実測すると少し低いという話もあります)です。倍率は0.86倍と0.8倍です。

シャッター速度の範囲は同じで、巻き上げに関しては、NIkon Fは分割が可能です。

使用感の違い

スペックの違いはそんな感じですが、では実際に使ってどうか。

Nikon Fの裏蓋取り外し式はちょっと不便そうです。出先でフィルム交換をするとき、必ずどこかに置く必要があります。でも、フィルムを2本使うことが、今まででゼロなので、問題なし。

露出計がないのは切実に困るので、単体露出計を買いました。ただまあ、内蔵露出計のNikomat FTNの方が使いやすいです。単体露出計は、露出計の値をカメラにセットするひと手間がいるので。

サイズと重さは変わらないですね。NIkon Fの方が恰好いいことは確かです。

ファインダーはNikon Fの方が明るい印象です。プリズムの蒸着が違うのかもしれません。あと、NIkomat FTNの視野率の低さは、入り込まないようにフレーミングしたはずの屋根の端や枝が写り込んでしまうことは何度かあります。このあたりはNikon Fの方が優秀です。

分割巻き上げはあったら便利ですが、ないならないでとくに問題はありません。

Nikomat FTNはがっしりしているのに対して、Nikon Fはちょっと華奢です。巻き上げの感触と、シャッターの音がそう感じさせるのかもしれません。

結論として

NIkon Fを買う時「もしかしたらNikomat FTNを使わなくなるかもな」という心配をしていましたが、そんなことはなく、交互に使っています。NIkon Fを使っていると、いいな、と思いますし、Nikomat FTNを使っても、いいな、と思います。いいな、と思うポイントが違うのです。

Nikon Fはファインダーが明るいし、シャッターは比較的静か。Nikomat FTNは露出計があるし、何より頑丈そうです。

どちらか1台だけでもいいのでしょうが、2台あると楽しいです。