メニュー表示

3.BESSA-Rが欲しくなった理由5.中判カメラ


コンパクト・カメラが欲しいと思っています。このコンパクトさと手軽さに魅力を感じます。

私が持っている一眼レフは比較的コンパクトなのですが、散歩に行くのに毎回それを持ち出すのは億劫です。例えば、あまりフォトジェニックではないだろうと予想されるところを散歩する場合、わざわざカメラ・バッグに一眼レフを入れて持っていく気にはなりません。じゃあ持ってかなければいいじゃないか、というのはカメラが好きじゃない人の考え方であって、カメラも写真も好きな私としては、少しでも写真を撮る可能性のある場合にはカメラを持っておきたいと思っています。

あと、私は一眼レフと同時に使えば、レンズ交換なしにふたつの画角で写真を撮ることができる、というメリットもありますし、フィルム交換なしに最大72枚撮れる、というメリットもあります。


そんなわけで、コンパクト・カメラが欲しいと思います。予算は3万円が上限で理想は2万円台前半。10万円くらいする高級なものもありますし、すごく魅力的だと思うのですが、私としては10万円あればレンズ交換ができるBESSA-R2みたいなのを買いたいと思ってしまいます。

機能にはある程度こだわりがあります。絞り優先AEと露出補正は必須です。私は絞り込んでパンフォーカスにした写真を撮ることが多いので、プログラムAEで手ぶれを嫌ってシャッタースピードを稼ぐために、絞りを開けられると困るのです。露出補正は逆光のときには補正しないと不安ですから必要です。


RICOH MF-1

いろいろと調べてみると、リコーのMF-1という変わったカメラを発見しました。存在は知っていたのですが、興味の対象でない時にはよさが見えてこないもので、今回再発見した、ということです。

このカメラは定価3万5000円とリーズナブルなのに、絞り優先AEと露出補正が可能です。また、目測式ながらMFも可能で、シャッターボタンを押してから実際に切れるまでのタイムラグ軽減に効果がありそうです。それに絞り込めばピントを外す危険性は回避できますし。更に多重露光と、オートブラケットもできるという、価格からは想像できない多機能かつ、マニアックなカメラです。

ただし、選べる絞りはF5.6、11、22の3つのみですし、補正は1EVステップと段階が荒いのが実際です。しかし、それは大きな問題ではありません。このカメラ1台で勝負しろ、と言われたら不安ですが、私にはメインとして一眼レフがあります。それよりも、最低限であるにせよ機能があることの方が大切です。上述のような理由で絞りを自分で設定できるかできないかは私にとって大きいですし、いくら段数が荒い露出補正でもないとあるでは全然違います。

ただ、問題はわりと大きくて重めであるということです。それからデザインがひどい。後者はまぁ機能のマニアックさで「ダサいけど中身はすごいもんね」と思うことができますが、コンパクト・カメラにとって「大きく重い」というのは致命的だろうと思います。具体的には本体が230グラムで、電池が単三乾電池2本(このあたりも質実剛健という感じがします)ですから、合計では280gくらいになります。いろいろなコンパクト・カメラの重量を調べてみると、だいたいが100g代で、重くても200gをちょっと超えるくらいなので、重いのは確かです。

しかし、重いとはいってもニコンの交換レンズ1本分くらいの重さでしかないので、私にとってはそう重くもないんじゃないか、という気はします。まぁ、これは店頭で触ってみないと結論は出ませんが。


実売価格も2万円台前半ですし、意外とお買い得ではないか、と思っています。高性能なGRレンズを搭載しているわけではありませんが、個人サイト上で公開されている作例を見ると問題なさそうなので、旅行に向けて購入してもいいな。

2002年5月5日



前の文章を書いてすぐ、2002年5月6日にMF-1を購入しました。すぐに値引きしてくれたので、それにつられて。

それで、早速試写をしてみたところ、あまり画質がよくない。もちろん、一眼レフ程度のシャープネスやコントラスト、解像性能を求めていたわけではないのですが、はっきり言って期待はずれでした。周辺光量落ちもひどいし(下の画像参照)。また、ファインダーがひどい。ブライト・フレームは入っているものの、黄色っぽくてゆがみもひどい。要するに撮っていて、全然楽しくないカメラであることに購入してすぐ気付いたのです。


そんなわけで、試写と一度の散歩をしたきりで、それ以降10ヵ月も防湿庫に仕舞ったきりでした。しかし、2003年3月、おじさんに頼んでヤフー・オークションに出品してもらいました。結果的に、1万4000円で売却することになったのは、ラッキーなことでした。下取りしてもらうとしても、そんなに高価にはなりませんから。それに、落札した人は前からMF-1に興味を持っていたらしく、リーズナブルな価格で落札できたことを喜んでくれていましたから、どちらにとってもよかったようです。


MF-1 Sample

それで今、手許にはレチナIaというコンパクト・カメラがあります。MF-1を売ったから、というわけでもないのですが、コンパクト・カメラに対する興味は依然とありまして、名機の誉れ高いレチナを買うに至った、ということになります。

最近のコンパクト・カメラというのは、やはり機能限定版なんですね。レンズだってチープだし(チープじゃないのは10万円近くするわけで)、ボディもちゃちです。それにAE、AF撮影しかできない。もちろん、そういうのを求めている人がいるわけですが、私が求めているものは、そういうものではなかった、ということです。それは、わりとマニアックな性能のMF-1も同じです。

その点レチナIaは馬鹿にできません。ピントは目測ですし、露出計は入っていませんが、レンズはちゃんとしています。シュナイダーというメイカーのテッサー・タイプを積んでいて、撮ってみると最近のレンズのパキパキの描写とは違った、優しい写りをしてくれます。また、ボディもがっちりとしていて、ヤワさは微塵もありません。1951年製といいますから、まだカメラが高級品だった時代に作られた製品です。廉価モデルと言っても、今の廉価とは意味が違います。

私には中古カメラが性に合っているみたいです。

2003年6月13日


KODAK Retina Ia