Canon EOS 30D

2008年5月25日、近くのヤマダ電機に置いてあった中古を購入。元箱、付属品全てありで6万4800円。傷のほとんどないとても綺麗な状態でした。その当時の相場としては5万円台後半なので安くないですが、綺麗ですし付属品も全てあったのでよしとします。

私はいわゆるエントリー向けのディジタル一眼レフを買う気はありませんでした。理由はいくつかあります。

まずモノとして魅力に乏しい。エントリー機は軽さと小ささを売りにしていますが、私は軽くて小さいカメラがいいとは全く思えません。グリップが小さくて持ちにくいですし、軽いとさらにブレやすい。それに樹脂製の外装がどうも好きになれません。古いカメラを使っていると金属製でひんやりした手触りを自然と求めてしまうのかも知れません。

そしてファインダーはペンタプリズムを使ったものが圧倒的に明るく見やすい。エントリー機はほとんど全てペンタミラーなのでやはり暗くてキレが悪い。私はAFを完全に信頼しているわけではないので、AFが苦手なシーンではマニュアルで合わせますから、やはりファインダー像にはこだわりたい。

といって、フラッグシップに近いものは高いですし、そこまで必要ではないと感じます。だから狙うは中級機。この時点でオリンパスが候補から外れます。中級機がないので。ソニーとパナソニックはレンズのラインナップが乏しいのと、デザインがあまり好きではないのでパス。あとはペンタックス、ニコン、そしてキヤノンです。

結局キヤノンにした理由は、EOS50Eの操作性が気に入っていたのが一番大きいですね。Kiss系は違いますが、ふたつの電子ダイヤルを使った露出制御はマニュアル操作に慣れた私にも使いやすい。そしてEFマウントのレンズに気になるものが多い。またマウント・アダプタを使えば手持ちのレンズで遊べる。

ニコンは私にとっては価格が微妙で、D80はなんだか安っぽいし、D200は高価すぎるしという中途半端な感じだったのでパスしました。ペンタックスにはK10Dという名機があって魅かれましたが、レンズの種類が少ないのでパス。

キヤノンで中級機、中古でも充分な実用性のディジタル一眼レフとなると、10Dから30D。10Dは少し古い部分があるので20Dと30Dのどちらか。まあこのふたつならどちらでもいいだろう、というところに30Dが出てきたので購入した、という感じです。後から調べてみると30Dは20Dのマイナーチェンジ版というイメージのようで、違いはLCDのサイズとバッファの拡張、そして彩度やシャープネス等を調節できるピクチャースタイルの採用といったところです。LCDは大きい方が何かと便利なので30Dにしてよかったと思います。

操作性はとてもいいです。EOS50Eで慣れていたところもありますが、フィルム・カメラにはないホワイトバランスや感度設定などはマニュアルがなくてもすぐに使えます。ボタンを押して電子ダイヤルを回すだけですから。測距点は直接選択できるコントローラーが付いたので、基本オートで問題がある場合は手動で選択するかマニュアルでピントを合わせます。露出補正もサブ電子ダイヤルを回すだけ。マニュアル露出の場合もメインとサブの電子ダイヤルで、直接シャッター速度と絞りを調節可能。

ホワイトバランスはわりと単純な感じです。青空が入ると画面が黄色っぽくなるので、晴天下では太陽光設定にしておくのが便利。ただし室内であればほとんどオートで対応可能です。このあたりはコンパクト・デジカメの方が優秀な気がします。

肝心の画質については何の不満もありません。フィルムをスキャンしたものよりもずっとクリアでノイズも少ない。820万画素と最近のディジタル一眼レフと比較すると少し少なめですが、A4程度に引き伸ばすのであれば充分です。私がプリントする場合は2L程度までで、とてもいい写真が撮れたらA4にしてみよう、と考えているだけでまだ実行したことがないので、何の問題もありません。

特筆すべきはRAWの使いやすさ。上で彩度やシャープネス、ホワイトバランスのことを書きましたが、それらを撮影時に意識する必要がほとんどないのが実際のところです。RAWで撮影し、専用のアプリケーションで展開すれば、PC上で好きに調節できます。JPGなどに保存しない限り画質が劣化することもないので、納得いくまでいじればいいだけです。ただし白飛びや黒潰れがある部分はリカバリできないので、露出はある程度考えないといけません。

RAWで撮影する限りにおいて、ディジタル一眼レフでの撮影は構図と多少の露出さえ気にしておくだけでよい、ということになります。このあたりの気軽さ故、写真が雑になっては意味がないですが、この美点を最大限に活かせば、今まで以上にカメラは使いやすいものになると思う次第です。