PENTAX K10D

2009年5月末、会社の飲み会に参加したところ、K10Dを売ろうと思っている、という話を聞いたので、私が2万円で譲り受けたカメラです。ヤフーオークションでも3万円以上はしますし、何より信頼できる人との直接取引ですから、驚くほど安い。

初めてのディジタル一眼を買うに際して、ペンタックスK10Dはよさそうだと思っていました。コンパクトですし、機能的にも不満はない。ネックはレンズで、超音波モーター駆動が私は好きなのですが、ペンタックスは高級なもののごく一部にしかそれを搭載していないので、結局EOS30Dを選んだ経緯があります。

ボディだけ譲り受けたので、当初は古いレンズしかありませんでした。父親からペンタックスMXと一緒に譲り受けたもので、30年以上も前のレンズです。実際に撮影してみると解像感も色再現もいまひとつのような気がしましたし、何よりもまず使いにくい。露出計は動作するとはいえ、2段ほどアンダー目に表示されるので大雑把な目安にしかなりません。またマット面でピントの山がつかみづらい。どちらにしても古いレンズを使っていたのではボディのよさも分からないと思い、6月20日にSMC PENTAX-DA DA18-55mm F3.5-5.6AL IIの中古を9800円で入手し、撮影してみました。

レンズの性能としてはあまりよいものではありません。滲みがあります。ただ、それはEF 17-40mm F4L USMと比較しての話ですから、ちょっと分が悪すぎます。購入価格で8倍、新品価格でも5倍くらいの差がありますから、性能に差があって当然というものです。以前少し使ったことのあるキヤノンの同クラスのレンズと比較すれば、ほぼ横並びといっていい性能です。価格相応とはいえ、私が求めている画質には及ばないことも確かです。

コンパクトな単焦点レンズか、そこそこのズームレンズが欲しいなあ、とつい思ってしまいます。DA17-70mmF4AL[IF]SDMなんてよさそうですね。超音波モーターですし。

あと、エントリークラスのレンズって、なんであんな先端の掴みにくいところに、掴みにくい幅のピントリングをつけるのか理解に苦しみます。またEF 17-40mm F4L USMとの比較で恐縮ですが、このレンズはピントリングとズームリングがとても使いやすい位置に配置されています。DA17-70mmF4AL[IF]SDMも値段はそこそこするのに、ピントリングについては同じ問題を抱えています。ペンタックスはDA★か単焦点レンズじゃないと、マトモな位置にピントリングがないのは問題だと思います。

レンズについては不満が残りますが、ボディはとてもいい。まずがっしりしています。ヤワなところがひとつもない。

そしてまた、露出モードが便利です。その便利さを知るには、少し時間が必要でしたが、ハイパーマニュアルなどはマニュアル露出が好きな私にとっては、うってつけの機能です。

マニュアル露出で困るのが、急な明るさの変化に瞬時に対応できないこと。まあ即時性を必要とする写真を撮るわけではないのですが、適正と思われる露出をダイヤルを回しながら探る時間が少なからずあるのは確かです。しかしハイパーマニュアルの場合、シャッターボタンの横にあるグリーンボタンを押せば、露出計が導き出した適正露出に合わせてくれます。その状態から絞りとシャッター速度を自分で決めればいいので、露出を探らなくていい。私は以前マニュアル露出しかできないカメラを使っていたせいで、露出補正するよりもシャッター速度か絞りを変化させる方が楽なので、とてもありがたい機能です。常時マニュアルにしておけばいい。

また、ISO感度の自動設定で、変動幅を指定できるのも偉い。ISO100~400くらいまでがノイズ的に実用域だと私は考えていますが、ISO感度を自動にすると知らぬ間にISO1600くらいまで増感されていて、ノイズまみれの写真を撮ってしまう、ということがあります。それが嫌でISO感度は最低に固定して使い、必要に応じて手動で変更というのが基本的なスタイルなのですが、K10Dの場合は変動幅を自分の好きに指定してAUTOにしておけばいい。また、ボディ内手ブレ補正の効果が想像した以上に高く、暗所撮影にも強い。

あとホワイトバランスの精度も30Dと比較して高いように感じます。基本的にオートで何の問題もありません。30Dの場合は、空が青い状況だと太陽光設定にしないとイエロー被りを発生するので。

レンズについては苦言を呈しましたが、コンパクトで軽い装備になっている点ではとても使いやすいとも確かです。ボディについては不満がないので、ついK10Dを持ち出す機会が多くなりがちです。

※2016年6月18日にSMC PENTAX-DA 16-45mm F4ED ALを購入しました。