まだ2回しか撮影していませんが、フィルムでのSummitarの使用感について書いてみたいと思います。ちなみにカメラはLeica IIIfです。
沈胴レンズなので持ち運びに便利、というメリットは、フードが純正でないキヤノンのライカスクリューマウント用にクリアファイルで作ったスペーサーを挟んで使っている都合上、取り外しが面倒で取り付けたまま持ち運ぶことになので、完全にスポイルされてしまいます。

また、フードを付けるとファインダーが大きく蹴られるため、外付けファインダーがあった方が快適だと思います。これはCANON LENS 50mm F1.8とNIKKOR-H・C 5cm F2でも同じです。鏡胴が長く、その先にフードが付くわけですからね。インダスター+フードだと蹴られは最低限で、外付けファインダーがなくても使える範囲ではあります。
レンズの質感はとても高いです。沈胴部はレールに沿ってスムーズに伸縮し、伸ばした状態での固定もしっかりしています。絞りはクリックなし。ヘリコイドはスムーズ。メッキの質感も高く、惚れ惚れしてしまいます。
デジタルでの撮影では主に開放を使いましたが、フィルムでは最高速が1/1000で、どこかにも書いたように機械制御式シャッターの最高速はあまり信用していないので、1/500までと考えると、晴天屋外で開放は限られたシーンでしか使えません。基本的にはF5.6からF11の間で撮影しています。
掲載している写真を見ていただくと判るように、たいへんシャープです。フィルムをルーペで観察するとすごいです。建物の細部までくっきりはっきり。モノクロ向きなのかもしれません。じっくりと見ると周辺部は流れていますが、隅々まで均一な解像度を実現したレンズが登場するのはずっと先のことですし、現代の目から見ても、そうひどいわけではないと思います。
ただ、逆光には弱いです。少しでも光線が入るとコントラストが低下します。フードの効果は、キヤノンのものを流用しているせいか、効果は薄く、付けた方がマシ、という程度です。純正のSOOPD、SOOFMが四角くて大きいのは、この逆光耐性の弱さをカバーするためのものなのでしょうね。
付けたままでも折りたためてレンズをガードできますし、単体でも薄いのでバッグの隙間に滑り込ませて持ち運びも楽でしょう。しかし、大きい。もし絶大な効果があるとして、それを使い続けることはできるだろうか。ズミクロン用の円形のもの(ITDOOやIROOA)は恰好いいし、IROOAは反対に付けられて便利そうではあるのですが、フードとしての効果は、形状から考えてキヤノンの代用品とそんなに変わらないんじゃないか、という気がします。
携帯性のことも踏まえると、フードなしで、コントラスト低下は甘受する運用にしようかな。今回は試し撮りだから厳しい光線状態で撮りましたが、コントラストが低下するシーンは撮る前に判るので、それを避けることも容易です。それに、多少コントラストが低下したところで、というところもあります。まあ、フードの問題は要検討として棚上げしておきます。
Summitar 5cm F2をデジタルとフィルムで撮影してみて、とても気に入っています。まず何より恰好いい。ズミクロンも、エルマーも、ズマールもヘクトールも恰好いいわけですが、恰好よさに順位があるわけではありません。そして、順光であれば描写もいい。開放では幻想的、絞り込めばかっちりくっきり写ります。
5万7000円は高いな、と思いますが、満足感は高いレンズだと思います。




