KODAK Retina Ia


『レチナブック』(片山良平編 朝日ソノラマ 1999年)を見ると、このコンパー・ラピッド付きのタイプは1951年製、総生産台数は約1万台だそうです。古くて数も少ないですが、私が見たところ、シンクロ・コンパー付きの後期型(生産台数約12万7000台)と価格差はありませんでした。

このカメラは蛇腹式のコンパクトさに魅かれて、2003年4月16日、梅田の八百富写真機店で購入しました。ヘリコイドが重かったのと、リバーサルで撮りたかったので、すぐに鈴木特殊カメラで点検・整備をしてもらいました。購入価格に近い費用がかかりましたが、結果的にこれが幸いしまして、同じ年の6月の末にシャッターがチャージされないという故障が発生したとき、無償で修理してもらえました。

このカメラのおかげで露出計、距離計なしのカメラに対する抵抗はなくなりました。「フィルムがちゃんと送ることができて、シャッターが生きていて、レンズがマトモなら写真って撮れるんだ」というのは、考えてみればごくごく当然のことですが、デジカメが初めてのカメラで、露出計内蔵の一眼レフを主に使っていた私にとっては一種の「発見」でした。

巻き上げレバーを最後までゆっくりと回し、カチッとシャッターがチャージされる音を確認する必要があったり、巻き戻しはノブだったり、絞りとシャッター速度はレンズを前面から見ないと設定しにくかったりと、まあ、使いやすいカメラではありませんが、それだから嫌になる、ということもありません。まあ、私などはカメラという機械自体が好きなたちなので、気が短くて写真を第一に考えている人にとってはたまらないのかも知れませんけど。


4.コンパクト・カメラが欲しい(欲しいもの)