好みの問題

カメラにしても車にしても、世の中には様々な情報があり、これがいいとか、あれがいいとか、これは買ってはいけない、とか言われています。結果、どれを買えばいいのか判らない、なんてことがあるかもしれませんが、好きなものを買えばいい。

まあ多少は調べて、自分の用途に合っているかは考えた方がいいとは思います。

風景写真を撮るのに、Charmeraを買う、という結論に至るのは回避すべきです。綺麗に撮れない、とか言われても、まあそういうカメラじゃないんで、ということになりますからね。調べるのが大変なら、AIに聞けばいいと思います。提示された選択肢を店頭で触ってみて、店員さんに聞いてみたらいいんじゃないでしょうか。

私も最近、5.5合炊きの炊飯器を買う必要があったのでAIに訊いて機種を選定しました。予算とメンテナンスしやすさを最優先で選びました。炊飯時の騒音が以前よりも大きいのが不満点ではありますが、その点についてはもともとの機種が静かだったせいで、選定条件に含めなかったので致し方ありません。それに四六時中うるさいわけではないので、大きな問題ではありません。少なくともご飯はちゃんと炊けます。

歴史が比較的浅いBEVはまた別でしょうが、内燃機関を搭載した車で致命的な問題のある車種なんてないと思います。ちゃんと走るし停まる。工業製品ですから、一定の確率での不具合や故障はあるでしょうが、少なくとも私は事故以外で走行できない事態になったことはありません。

こと自家用車に関して言えば、用途や保管場所による制限を考慮すれば、デザイン、ブランド、価格、あるいはリセールバリューによって選ぶだけでいい。要するに好みの問題です。

例えば、私の場合で考えてみましょう。一日に10kmも乗らないし、猫を飼いだしてからは車で遠出もしません。ただ、子どもたちと一緒に乗ることもあるので、4人は乗れる必要があります。6人乗れると便利なシーンはありますが、年に1回もないので、4人乗れれば充分です。また、機械式駐車場の都合上、幅1850mm、長さ5000mmという制限があります。高さは2000mmくらいまで大丈夫なので、検討する必要はありません。

ミラとかアルトなどの軽自動車やフィットやヤリスなどコンパクトカーの中古で充分です。ナビもETCも不要。もし長距離移動する必要がある場合は鉄道を使うか、カーシェアかレンタカーにすればいい。

カメラもそうで、今となってはどれを買っても写真は撮れる。あとはまあ、細かい機能や今持っているレンズを活用しやすいとか、デザインとかブランドのイメージとか、細々したものが影響します。私が撮っている写真を撮るのに、最新のカメラとレンズは全然いりません。高速で移動するものや、遠くにあるものを被写体にしている方はまた違うのでしょうが、私のように町並みを撮るだけだと、70年以上前のカメラでも普通に使えます。そこまで遡らなくても、2008年発売のEOS 5D MarkIIで充分です。

ちなみにEOS 5D MarkIIは2020年6月に42,800円で中古品を買いました。最新機種を使ったことがないのでなんとも言えませんが、2013年発売のNikon Dfと比較しても、違いはあります。まずコンパクトフラッシュのみ。また高感度で撮影するとノイジーです。また、ホワイトバランスの精度が低い。これだけで「無理かな」と感じる方もいらっしゃると思います。でも、私には問題がないのだから今も使っているのです。

しかし、ややこしいもので、車に興味があるので、どうせ買うなら、もうちょっと趣味的なヤツがいいな、といった気持ちがムクムクと湧いてきます。フィットとか趣味的じゃない。

カメラについては、お金があったとしてもZ9やEOS R1などには興味はない。EOS R6 MarkIIIも、Leica M11も買わないでしょう。といって、M3ブラックペイントとか、ズノー50mm F1.1とか、希少なカメラやレンズにも興味がない。ちゃんと使えて、まあまあ綺麗で恰好いいカメラやレンズがいろいろ欲しい。車とは方向性が違うだけで、ややこしいことに変わりはないかもしれません。

車やカメラは、すでに製品として完成しています。そういう製品は好みで選べばいい。

完成していないからの愉しみ、というのは実はあって、昔はスマートフォンなどに興味を持って、いろいろと買い換えたことがあります。

Advanced/W-ZERO3[es]、Blackberry Bold 9000(ブラックベリー)と使ってみて、これらは不完全な機械でした。アドエスなんて、地下鉄の駅でメールを送ると、ネット接続がダイヤルアップなのか駅に止まっている間に送信しきれませんでした。ブラックベリーもウェブサービスが複雑かつ脆弱で、マトモに使えたものではありませんでした。でも、今までできなかったことができることもあって、それが楽しかった。

その後、その面倒さに嫌気がさして、いわゆるガラケーに戻しました。iPhoneも最初のうちは興味がありながらも横目で見ていて、iPhone4Sを手に入れました。やっと普通に使えるようになったな、と思いました。

あとWindows Phoneは出来はそんなに悪くはないけれど、積極的に使う理由のない機械でした。Androidもバージョン4とかそのあたりは、バージョンアップごとにいろんな機能が追加されて、それを追いかけていました。Nexus 5とか、タブレットのNexus 7とか。Nexus 7は今考えても、いいサイズ感でした。今はiPad miniがその代替です。

でも、今となってはどんなスマートフォン、タブレットを買っても以前のように困ることはありません。カメラ性能とかゲーム性能を追求する方は、そういう機能を訴求ポイントにしている機種を買う必要があるでしょうが、製品として完成された、ということでしょうね。逆に言えば、カメラとかゲーム性能が必要ない人は好きなものを予算に合わせて買えばいい

最近、スマートフォンのCMを見ていると、メーカーも困っているんだろうな、と思います。そんな機能があるからといって、買い換えたいと思うだろうか、と感じます。

一方で、完成された機械って、実は面白くない。

デジタル一眼レフもそうで、最初は画素数が上がり、連写性能が上がり、フォーカスポイントが増え、液晶のサイズが大きく精細になっていきました。また、ライブビューができるようになり、動画撮影機能が追加されました。毎年新機種が出ていました。しかしある時点から、私にとっては何を買ってもほとんど変わらなくなりました。そうした頃にミラーレスが出始めました。最初はEVFの性能が低く、またバッテリー消費も大きかったのですが、それがどんどん進化していきました。そしてまた、ミラーレスも何を買っても問題ない状況に達したと思います。

車なんてその最たるもので、車離れの原因についていろいろな考察がありますが、私は車が完成されて、多くの人にとって面白くなくなった、すなわち何を買っても変わらないものになったから、というのが一番大きいのではないかと思います。5人家族で家族全員で車で出かけることが多いのに軽自動車を買うとか、調べも、試乗もせずにイメージだけで買うとかでない限り、要するに用途に合った車を選び、試乗した上で買うのであれば、どれを買っても大差なく、満足できると思います。

ステータスを誇示するために車が欲しい人は、用途以外の要素を検討する必要はありますが、車はバリエーションが豊富なので、お金を出せばそういう要望もかなえてくれます。

評論家や車好きは「乗り心地が」とか「ハンドリングが」とか「チリが」とか言ったり、ユーチューバーは「買ってはいけない」とか不安を煽ってきますが、そんなのは重箱の隅をつつくような議論や再生回数を稼ぐための過激な論説であって、自分で調べて選んで乗ってよかったら、それでいい。

私はネット上で車の試乗レビューを読んだり見たりしていますが、それは車が好きだからであって、自分が買うとなったら試乗して車庫入れしてみて、納得したら買うだけのことです。誰かがいいと言っていたなんて、何の参考にもなりません。エンターテイメントとして面白いとは思うけれど、その人が褒めたから買うなんてことは特にない。その人と私は用途も好みも予算も違う。

発展途上の製品には、突飛なものもあるし、今となっては不便かもしれないけれど、味わい深いものもあります。バルナック・ライカなんてあらゆる面で不便ですが、大好きです。そのカメラでしか味わえない感触がある。発展途上の車については全く知りませんが、クラシック・ミニなどは大変なのでしょうが楽しそうです。

でも普通に写真を撮りたい人がミラーレスを買う上でSONYとCANONとNikonとFUJIFILMで一体何が違うのか。マニア的な視点から見れば違いはたくさんあります。撮像素子が、とか、オートフォーカスが、とか。しかし、普通に写真を撮るならほとんど違わない。予算と好みで選べばいい。もし写真を撮っていく上で、そのカメラではできないことがあって、その機能が必須ならば買い換えればいい。

車もカメラも最近は高いので、まずは中古、というのもありだと思います。中古は新品よりもハードルが高いですが、そのあたりはちゃんとしたお店で実際に触って、聞いて、ちゃんと保証があれば大丈夫だと思います。メルカリとかで買うなら、理由の如何を問わず返品可能なショップで買うべきです。私は何度か不良品に当たっていますが、全てちゃんと返金してもらっています。

中古で買ってみて、満足できればそれでいいし、不満ならその理由を考えれば、次は満足できるものを買えるようになると思います。

妙に長い文章になってしまいましたが、正解なんてないんだし、好きなカメラとか車を買えばいいんじゃないかな、というだけの話でした。