六甲アイランド
−埋立地に広がるデザインされた新しい町
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私はだいたい古い町が好きです。もっと正確に言うならばただ古いだけではなく、趣がある町並みを有しながら人が生活している雰囲気、すなわち生活感のある町が好きです。というよりも、町というのは人が生活して行く中でできあがるものだと思います。

それが六甲アイランドを馬鹿にしていた理由のひとつです。何だ、新しく埋立地に作られた町か、と。言葉は悪いですが、鶏舎を大きくしたような画一的なマンションが並び、大きなショッピング・モールが建ち、直線的な道路が縦横に走っているだけだろう、と。


だから写真を撮るのが目的ではなくて、小磯良平の絵を見に行くのが主でした。でもカメラを持たないのは寂しいしな、と持って行ったわけです。そして美術館に行ってみると、こぶりながらすごく綺麗なところで、小磯良平のアトリエも移築してあり、絵と合わせて見所は多かったです。ただ、絵としては小磯よりも同時に展示されていた水彩画の中西利雄の方に感銘を受けました。だいたい私は人物よりも風景が好き、というのもありますが、油絵のようでありながら透明感のある濃厚な色彩と単純化された造形は私の好みでした。

それで満足して美術館を出て町を歩いて、あれ? と思いました。何か綺麗なんです。のっぺりとした表情のない新興住宅地を想像していたのが、全然違うんです。マンションはいろいろな個性的なデザインで、緑も多く、ショッピング・モールの中には水辺と個性的なお店があります。そうか、こんな町なんだと嬉しくなりました。

Photo 1
リバーモールから東を望む
Photo 2
アンティーク・ショップ
Photo 3
アイランド北口駅あたり
Date: 2004/04/24
Camera: OLYMPUS OM-1
Lens: F.Zuiko Auto-S 50mm F1.8