Sunday at the Village Vanguard (Bill Evans)

Sunday at the Village Vanguard(Bill Evans)

今回はジャズ。メジャーなプレイヤーのメジャーなアルバム。

このアルバムは"Waltz For Debby"と対になるもので、名盤と言われます。聴いてみると、その通り、名盤です。あまりによくて、何をしていても手が止まるくらいです。

タイトルにある通り、「ヴィレッジ・ヴァンガード」というジャズ・クラブで日曜日に行われたライヴを収録したものです。グラスの触れ合う音や談笑する声まで録音されています。でも、そんな雑音をものともしないビル・エヴァンズ・トリオのプレイは、やはり素晴らしい。可能ならば、1961年のヴィレッジ・ヴァンガードに行って、このプレイを実際に聴きたいと心から思います。

これはジャズ評論ではないので、詳しい説明は割愛しますが、エヴァンズ+ラファロのコンビは無敵だな、と思います。


私はこのCDで、ジャズのよさをはじめて理解できたと感じています。私がジャズを聴くようになったのは、友人のすすめなのですが、1997年の夏のことだと記憶しています。

ジャズというのは「アド・リヴ」という即興演奏があって、それが面白いわけです。でもはじめのうちは、元になる曲の部分(テーマ)と、アド・リヴの部分との区別もつきません。聴き込んでいくうちに分かるようになり、そして、その面白さと素晴らしさを教えてくれたのが、このCDなのです。それを感じたときは嬉しくて、ついニヤニヤしてしまいました。こんな素晴らしい音楽があったんだな、と。

このCDは「ジャズ入門」という類の本では必ず紹介されます。だからバカにする人もいるんですが、これはやっぱり名盤だと思います。聴きやすいから入門用、ということになっているんでしょうけど、それだけではありません。やっぱり心に食い込んでくるものがあります。どう心に食い込むかを書ければ評論家になれるんでしょうが、あいにくと私にはできませんので、是非聴いてみてください。


このCDを聴くと、ジャズの話を夢中でしていたことを思い出します。友人にCDを借りて、家でじっくり聴いて、学校に行ってはその話をしていました。ま、懐かしいと言っても3年くらい前なんですが。

私にジャズを教えてくれた友人は、大学でバンドを組んでジャズをやってます。私は楽器は苦手なので、ただ聴いているだけです。実はベーシストに憧れたんですけどね。何にしても、いいジャズを聴くと、楽器がしたくなってきます。


ビル・エヴァンズのCDはいろいろとあります。でも、聴きやすさと内容で選ぶなら、冒頭で紹介した"Waltz For Debby"、あるい は"How My Heart Sings !"がいいと思います。ジャズCDは2000円と安いので、是非。